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【芝大神宮】チケットや宝くじ当選の強運をいただこう! 大盤振る舞いのご利益と江戸の粋

2026年8月7日

江戸時代より「関東のお伊勢さま」と多くの人たちに親しまれ、令和の今も参拝客が絶えない、芝大神宮。JR「浜松町駅」、都営地下鉄大江戸線「大門駅」から近く、ビジネスパーソンや増上寺に向かう人たちでにぎわう大門通りのすぐ近くとは思えない、静かで落ち着いた空気が流れています。

1,000年を超す歴史、強運のご利益、日本一長い例祭、唯一の縁起物など、興味深いトピックが満載の芝大神宮。ぜひ、いろいろ教えていただきたい! ということで、権禰宜の岡田 寛さんにお話を伺ってきました。

推し活に宝くじ、「運」を求める人たちが集まる芝大神宮

取材に伺ったのは平日の午後でしたが、境内には若い女性からスーツ姿のビジネスパーソン、お散歩途中のご近所さんなど、参拝者は途切れません。「本当にたくさんの方がいらっしゃるんですね」と驚いていると、「今日はこれでも少ない方ですよ」と、岡田さん。

羽田空港に行く前にスーツケースと一緒に参拝される方、竹芝ふ頭に到着した東京都諸島部の方もいらっしゃるそうです。

いただいた御朱印と一緒に「芝大神宮」の社標を撮影される方も多いそう

芝大神宮は、江戸時代に現在の宝くじのルーツとも言われる、「富くじ」の販売が許可されていた場所のひとつのため、宝くじ当選の強運にあやかれると言われています。

そのため現在は、「当選」のご利益にあやかりたい! と、入手困難なコンサートチケットなどの当選祈願に訪れる人たちも多く、いただいた御朱印を手に、願いを込めて写真撮影をしている方の姿も多く見られました。

でも、どのようなきっかけで、宝くじ当選のご利益が頂ける、と人気になったのでしょうか?

「銀座に、多くの高額当選が出ることで有名な宝くじ売り場があります。7番窓口に当宮の御札をお祀りされているのをご覧になった方が、芝大神宮にお参りすればご利益があるんじゃないか、と参拝くださったのがきっかけのようですね。ありがたいことに、今では本当にたくさんの方がいらっしゃいます」

実は、もともとその宝くじ売り場の方が芝大神宮を参拝しており、売り場に御札をお祀りされていたとのこと。「我々も後から知って、驚いたんですよ」と、笑顔の岡田さん。

「宝くじだけでなく、コンサートのチケットなども『全然つながらない電話がつながりました!』などおっしゃっていただくこともあるので、ご利益を感じていただけるのはうれしいですね」

2026年も半分残っているのに、今年分は売り切れ! 大人気の「強運守り」

いただけるお守りもさまざまですが、大人気なのが「強運守り」です。読み方は「ごううんまもり」。その響きからも、力強く導いていただける気がします。

「普通は『きょううん』と読みますが、『きょう』という響きは『凶』とも捉えられてしまいます。なので、『きょう』より強い『ごううん』と読みます。
男性/女性用で色が違うのですが、その年のラッキーカラーを占いで決め、みなさまに強運を呼び込んでいただきたいな、と願いを込めています」

そんな強運守りですが、残念ながら本年分(2026年分)はもう終了してしまったとのこと。

例年、12月の吉日からいただけるのですが、年明けの1月中旬に一時配布修了してしまうのも珍しくないそうです。再授与のタイミングがあれば、公式ホームページ公式Instagramでお知らせがあるので、こまめにチェックするのがおすすめです。

残念ながら強運守りをいただけなかった場合でも、落ち込まなくて大丈夫! 強運を結べるご縁に願いをかけた、「強運結紐」をいただくことができます。岡田さんのお話では、御朱印帳留めにしたり、宝くじに巻いて当選日を待つ人もいるそうですよ。

江戸っ子の「粋」を今に伝える! 日本一長い「だらだら祭」と芝大神宮だけの「千木筥」

平安時代に創建された芝大神宮。創建当時は、現在の六本木の近く、飯倉エリアに鎮座していましたが、江戸時代、徳川家康による都市整備のひとつとして、現在の芝の地に遷座されました。

伊勢神宮と同じ主祭神をお祀りしているため、「関東のお伊勢さま」と江戸っ子からの信仰も厚く、江戸の面影を今に伝える伝統も残されています。

広重『江戸高名会亭尽 芝明神社内』,藤彦. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1313293 (参照 2026-07-30)

「社殿などは戦火で焼失してしまいましたが、文化は継承されています。たとえば、毎年9月に開催される『だらだら祭り』と、『千木筥(ちぎばこ)』です」

「だらだら祭り」とは、また不思議な響きのお祭り。

「音だけ聞くと不思議ですよね(笑)。11日間続く例祭なので『だらだら祭り』という俗称になりましたが、洒落言葉が好きな江戸っ子は、『太く良く』という字を当てはめ、『太良太良祭り』と表していたそうです。『太く良いことが続くのは非常に縁起が良い』と捉えていたんですね」

「ほかにも、暑い時期なので、汗がダラダラ流れるのもあります(笑)」と岡田さんは笑いますが、江戸の粋を感じさせるエピソード。

英泉『芝神明宮祭礼生姜市之景』. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1301972 (参照 2026-07-30)

実は芝大神宮は広大な氏子区域を持つ神社で、JR新橋駅の一部から、レインボーブリッジがある台場地区、さらには麻布十番エリアの一部も氏子区域だそう。会社も多いことから、法人としてお祭りに参加される会社もたくさんある「だらだら祭り」。

2026年の「だらだら祭り」は、9月11日(金)~21日(月)の11日間。各町会のお神輿が集結するのは、20日(日)です。大門通りに各地区のお神輿が集結し、活気あふれるお祭りを体感しに行きましょう。

▼「だらだら祭り」は浜松町芝大門エリアマネジメントの方も参加
浜松町の再開発|世界貿易センタービル本館開業の先に見据える、全員が「ご近所さん」のまちづくり

ちなみに「だらだら祭り」は、神前にショウガをお供えすることから始まるため「生姜祭」とも呼ばれています。そのため芝大神宮では、現在もしょうが飴などをいただけるのですが、「私たちも言われてから気づいたのですが、ショウガは英語で『ジンジャー(神社)』なんですよね(笑)」と、ここにも江戸の洒落言葉が息づいていました!

社務所で販売している「しょうが飴」。水あめ、砂糖、ショウガで作られたシンプルな甘さにホッとします

そして「千木筥(ちぎばこ)」も、江戸時代から引き継がれている授与品。

「だらだら祭り」と同じく、あまり耳馴染みのない言葉ですが、「千木筥」とは、藤の花を描いた3段重ねの箱を、藤のツルで結んだもの。中には豆が入っており、揺らすとカラカラ音が鳴りますが、もともとはお餅をお供えする器(餅器=もちき)でした。「もちき」から「ちき(千木/ちぎ)」となり、「ちぎ」という響きが「千(ち)の着物(ぎ)」に通じる、ということで、着物に関する縁起物としての意味も出てきたそう。

千木筥の中には豆が入っています。豆には穢れを払う役割もありますよ

「『ちぎ』という言葉は神社の屋根にある『千木(ちぎ/本殿屋根の両端で交差する、神聖さなどを示す意匠)』にも通じますし、『着物』が『千』増えることは裕福の証、ということにも掛かっています。江戸時代に着物が千着あるのは富の象徴ですし、たくさんの着物が必要な歌舞伎役者さんなどにも親しまれていたと言われていますね」

現在は、衣服の「服」と幸福の「福」を掛けて、タンスやクローゼットに納めることで、ご利益をいただけるそう。

「昔はたくさんの場所で千木筥を作っていたという話は聞いているんですが、現在受け継いでいるのは、芝大神宮のみです。時代に合わせて、ストラップ型の千木筥もございますよ(笑)」

このように、江戸時代から幅広い人たちに親しまれていた芝大神宮。

加えてもうひとつ、江戸を感じさせるエピソードも。「火事と喧嘩は江戸の華」と言いますが、芝大神宮の狛犬の台座は、火消しで有名な「め組」から奉納されたものです。

狛犬の台座の「め組」、書体もすてき!

江戸時代、芝大神宮は富くじをはじめ、芝居や勘定相撲などの興行が許された貴重な場所でしたが、実は、火消しととび職の喧嘩を描いた歌舞伎「め組の喧嘩」の舞台も、芝大神宮なんですよ。

大門通りには「め組のけんか」の記念碑もあります

貯金もお任せ! 10月の神嘗祭に合わせて貯金祭も開催

興味深いエピソードが尽きない芝大神宮ですが、忘れてはいけないポイントはまだあります。それは、「日本の貯金王」と言われた牧野元次郎を称える「貯金塚」。

鳥居に向かって右手にあるので、忘れずに参拝を!

「根気、根気、何事も根気」と武者小路実篤の言葉と共に、大黒様が刻まれています。

「明治時代、牧野さんは当宮のすぐ隣、現在りそな銀行さんがある場所に、その前身となる不動貯金銀行を設立されました。『ニコニコ預金』と呼ばれる定期預金を考案された方で、貯金を奨励された貯金王。
当宮は昔から牧野さんとご縁がある関係から、牧野さんを顕彰する『貯金塚』がございます」

『ニコニコ写真帖』第1輯,ニコニコ倶楽部,大正1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/14462770 (参照 2026-07-30)

実は、伊勢神宮でその年の新しいお米を神様にお供えする「神嘗祭」と、「貯蓄の日」は同じタイミングでやってきます(貯蓄の日は、金融広報中央委員会が神嘗祭に由来して制定)。

そのため芝大神宮では、神嘗祭の後に、貯金祭も開催されるのが通例。

「『貯金祭』は、牧野さんのご子孫の方をはじめ、りそな銀行さんなどの金融業界の方や一般の方まで広くご参列いただいています」

宝くじで一攫千金も夢がありますが、芝大神宮に訪れた際は、コツコツ貯める貯金の神様にも忘れずにご挨拶しましょうね。

神社は「不変」を守り、「普遍」を重ねる存在

「関東のお伊勢さま」と親しまれ、江戸時代に芝の地に遷座した芝大神宮。

主祭神は、伊勢神宮と同じ、天照皇大御神・豊受大神。さらに、出雲大社の神様である、大国主命、事代主命、倉稲魂命に加え、源頼朝公、徳川家康公、菅原道真公もお祀りされています。

日本の総氏神である天照皇大御神、衣食住の神様である豊受大神、良縁成就や病気平癒などのご利益がある大国主命、商売繁盛のえびす様こと事代主命、五穀豊穣・家内安全などを守護する倉稲魂命と、まさに“全方位”のご利益を網羅!

「神社というと、境内地にご本殿だけでなく小さな御宮がいくつもあって、というのが多いですが、当宮はご本殿で八柱の神様をご一緒にお祀りしています。
ご本殿は昭和39(1964)年に建てられているのですが、実は、日本で最初の地下駐車場を併設した本殿なんです」

さらっとユニークな事実を教えてくれる岡田さん。

「これから車社会になる中で、神社を護持し、都市と共存していくために当時の宮司が先見の明を持って決断したそうです。当時は色々なご意見もあったようですが、時代に合わせた柔軟な姿勢がうかがえますよね」

浜松町駅直結で再開発中の貿易センタービルも完成が近くなり、大きな道路も多い芝エリア。確かに、当時想像されたように、時代と共に発展し、時代と共に発展・変化している地区です。

「当宮内でもよく話しているのですが、神社は『不変』と『普遍』の両方を大切にする必要があると思っています。変わらない伝統や本質(不変)を守ること。そして、時代と共に変わる人々の生活スタイルや考え方に、ひろくあまねく寄り添うこと(普遍)。そのバランス感覚を大切にしていきたいですね」

朝日を浴びながら心を整える。参拝は「歩く瞑想」?

最後に、岡田さんに芝大神宮で一番好きな時間や場所を教えてもらいました。

「やっぱり、朝が好きですね。日の出に合わせて掃除やお供えをさせていただく時間は、神様と二人きりの感覚におちいりますし、鳥居から見るご来光に感謝の気持ちが沸き上がります。
当宮のご本殿は東を向いているので、朝、鳥居の下あたりから見上げると、社殿の鰹木に朝日が当たってキラッと光るんです。夏の時期だと、朝6時くらいですね」

芝大神宮のご本殿は鳥居から少し階段を上った先に鎮座しているため、朝でなくとも見上げると荘厳な雰囲気を感じられます。

階段下から見上げるご本殿

「階段があるので、いらしていただいても、すぐにお参りできないんですよね(笑)。でも、それは『歩く』のが大切ですよ、という表れなのかなと思います。
人間は、同じリズムを刻むことで思考がクリアになり、心が落ち着くと言われています。芝大神宮にいらしていただいて、一定のリズムで階段を上っていただく。少し境内を歩いて、手水舎で手と口を清める。そして、スッキリした頭や心で、神様にお参りする。『歩く瞑想』ができるのが、神社という場所なのかなと思います」

JR浜松町駅からモノレールに乗れば羽田空港まで約20分、竹芝ふ頭からは大門通りを真っすぐ歩くと到着する、芝大神宮。

強運を願う人も、江戸の文化に触れたい人も、まずは境内をゆっくり歩き、自分の心を整える「歩く瞑想」の後に、強運をご祈願してみてはいかがでしょうか。

芝大神宮
住所:東京都港区芝大門1-12-7
授与所:9:00~17:00
アクセス:JR山手線・京浜東北線「浜松町駅」北口より徒歩5分、都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門駅」A6出口より徒歩1分、都営地下鉄三田線「御成門駅」A2出口より徒歩5分

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