
港区で新幹線が見れるスポットとは? 空港アクセス線に変貌中の遺構も訪れてみた
港区で新幹線を見える場所といったら、どんな場所を思い浮かべるでしょうか?
ほどんどの場合、新幹線は高架橋の上を走っているため、ほんの少し見えることはあっても全体を見渡せるスポットは限られます。
今回は、港区で新幹線を見られるスポットを紹介するとともに、その隣にある謎の路線をご紹介します。
港区で新幹線を眺められるスポットとは?
高架橋を走る新幹線を眺めるなら、さらに高い場所から見下ろすことになりますが、新幹線が走る新橋から品川港南エリアはオフィスビルが多く、一般の方が立ち入れる展望スペースはなかなかありませんでした。そんな中、2025年に新たに展望スポットがオープンしていたことをご存知でしょうか。
「TAKANAWA GATEWAY」内、NEWoMan TAKANAWAの「LUFTBAUM」28Fにある「山吹の庭」というパブリックガーデンです。

「山吹の庭」は、高輪ゲートウェイ駅側からすぐ入ってすぐの場所にある、専用エレベーターでアクセスできます。
「山吹の庭」は、唯一の東(海)側を向いたパブリックガーデンで、芝浦エリアからレインボーブリッジ、お台場方面まで望めるデッキ。レストラン街の一角にある、誰でも入れるスペースになります。
真下に視線を移すと、山手線・京浜東北線や今夜の出番を待つ夜行列車の車両などを見ることができます。
東海道新幹線は最も海側を走っています……が、芝浦方面に外れていく線路があり、ここにも新幹線が走っています。これは一体どういうことなのでしょうか?
なぜ芝浦に向かって新幹線が走っているのかというと、これは品川区・大井ふ頭にある車両基地へ続いている線路。本線とは札の辻橋付近で合流し、東京駅に車両を送り込んだり、逆に車両が引き上げていく回送線です。
NEWoMan TAKANAWAの「山吹の庭」は、この回送線や奥を走る東京モノレールまで見ることができるおすすめスポットです。
取材時は夏休み時期だったこともあり、「山吹の庭」がオープンする朝11時からかなりのにぎわいを見せていました。28階はレストラン中心のフロアのため、休日のお昼どきなどは、エレベーターに行列ができることもあるそうです。

また、フロアは24時までオープンしているため、夜景スポットとしても楽しめそうです。
新幹線と並走する謎の路線は?
港区で新幹線を見られるもう一つのスポットとして、「札の辻橋」があります。

三田から芝浦方面に向かう道路が、線路を跨ぐ橋です。三田方向には東京タワーが望めるスポットとしても有名です。
ここは先ほど紹介したように回送線の合流地点で、品川駅に向かう本線が回送線をくぐり抜けています。
田町・三田駅からは少し離れていますが、「札の辻スクエア」などを訪れる際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
そんな札の辻橋付近ですが、新幹線回送線の左側で何かの工事をしています。
同様の工事は浜松町駅付近から、ずっと線路沿いに続いていますが、これは何の工事なのでしょうか?
実は、浜松町駅から東海道新幹線に沿った場所には、今は営業していない廃線跡があります。汐留~浜松町~大井ふ頭を結んでいた貨物線「大汐線」です。
汐留駅が貨物駅としての役割を終えて大井ふ頭の東京貨物ターミナルに機能を移したことや、都営大江戸線の工事などの要因が重なり、大汐線は1998(平成10)年に休止。休止扱いですが、浜松町~田町付近の用地は再開発などに利用(BLUE FRONT SHIBAURAの「GREEN WALK」など)され、現在線路は消滅しています。
ですが、線路が残っている箇所もあります。少し見てみましょう。
貨物線は新幹線回送線とともに札の辻橋付近で高架橋に移りますが、現存しているのはその少し先の芝浦橋付近からの部分になります。
大汐線の高架橋は、新幹線回送線とともに高浜橋・浜地橋付近で運河を次々と渡り、品川港南エリアを抜け、品川ふ頭経由で大井ふ頭の東京貨物ターミナルを目指します。
このような大汐線ですが、実は間もなく重要な路線として蘇ろうとしています。
それはJR東日本の「羽田空港アクセス線(仮称)」計画です。
2014年に発表されたこの計画は、2023年に着工。2032年3月開業予定で工事が進んでいます。
羽田空港アクセス線は東海道線に乗り入れ、羽田空港駅から新橋駅までノンストップ。そのまま東京駅や北関東方面を結びます。
開業すれば、公式発表では東京駅~羽田空港駅間が18分で結ばれる(東京モノレール浜松町駅乗り換えの場合28分)予定です。
羽田空港アクセス線は、田町駅付近で東海道線から分岐して地下へ。東海道新幹線をくぐると、先ほどの芝浦橋付近で地上に戻り、旧大汐線の高架橋を利用して大井ふ頭に至ります。大井ふ頭以南は完全な新線で、大田市場付近から地下トンネルで羽田空港を目指します。
芝浦にひっそりと存在する遺構が空港と港区をつなぐ路線に
普段なかなか意識しない、新幹線の車両が時折通るだけの新幹線回送線と廃線跡の大汐線。
特に大汐線は知る人ぞ知る存在でしたが、羽田空港アクセス線として再び開業すれば、都心と羽田空港を直接結ぶネットワークの一つとして大きく注目される存在になるでしょう。
田町や港南エリア、そして先ほどご紹介したNEWoMan TAKANAWA「LUFTBAUM」を訪れる際は、こうした背景を知っているとより楽しめるかもしれません。
再開発が続く港区の芝浦エリアでは、このような変化も進行しています。

