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【2026年版】港区の公園で花火ができる!区の担当者と花火メーカーに聞いた都心の花火事情

2026年6月24日

今年、2026年は平成27(2015)年以来、実に11年ぶりに、中央区制80周年記念・港区政80周年記念として東京湾大華火祭』が開催されます!

もう、以前の花火大会のことを覚えていない世代も増えていたのではないでしょうか?

夏の代名詞である花火。大輪の花が東京湾の夜空に広がる光景はいつ見ても高揚するものです。

ですが、花火という言葉で最初に浮かぶのは、家族みんなで出かけた大きな花火大会よりも、庭で行っていた小さな手持ち花火の思い出です。

大きな音がするわけでもないし、花火大会のように何百発も上げられるわけでもないけれど、夏休みのバーベキューと合わせてキャッキャッとはしゃいでいたことを思い出します。ろうそくの火は、根本よりも先端の方が火力が強いことなんかを、手持ち花火で学んだっけ。

東京のど真ん中の港区では、なかなか子どもたちが花火をしている姿を見かけることはありません。大きな花火大会とは違う、小さな自分たちだけの花火大会って都心ではできないのかな……。

と、気になって調べてみたところ……なんと、期間と時間は限定されていますが、区内の公園では花火利用ができるという情報を発見しました!

そこで、住宅密集地である港区で花火が許可されるようになった理由について、取材をしてきました。

港区の公園で花火が解禁されたのは2024年から

今回お話を伺ったのは、港区街づくり支援部土木課長の中村美生さん、課長補佐で土木計画係副係長の高舘文芳さん、土木計画係の鎌谷美那さんです。

写真左から、お話を伺った中村さん、高舘さん、鎌谷さん

まずは、一番大事な所から。東京湾大華火祭の復活イヤーでもある今年も、区内公園での花火遊びは許可されているのでしょうか?

中村さん「はい。今年も実施します。期間は7月20日(土)〜9月1日(日)までの、午後6時から午後8時までで、準備・片付けの時間も含みます

よかった。今年もちゃんと花火はできるようです。ところで、恥ずかしながら区内の公園で花火をして良いということを、私は先日まで知りませんでした。そもそも区内の公園で花火ができるようになったのは、いつからなんでしょう?

中村さん「正式にOKとなったのは令和6(2024)年の夏からです。ですが、前年度の令和5年に夏休みの期間20日間程度ですけれども試行を行っていました。この結果を踏まえて本格実施することになったんです」

なるほど。わざわざ試行を行ったということは、区民の方から要望が多かったということなのでしょうか?

鎌谷さん「そうですね。毎年夏になると問い合わせが結構あるんです。“公園で花火をしていいのか””花火がしたい”と」

中村さん「今、港区では住民の9割がマンションに住んでいるような状況もございますので、自宅の庭がない。そんな中で、じゃあどこで花火をやるのか?マンションや商業施設の敷地の中でやるというわけにもいかないですよね?これまでは公園でも、安全面から基本的にダメですという形でお断りしていたんです。やはり火を扱うというところと、公園の管理者など誰も立ち会える人がいないので。けれども、他区では徐々に公園での花火を認めているという事例も出てきているので。ちょっとやってみようかということになりました」

実際にやってみて、どのような声が区民の方から集まってきたのでしょう。

鎌谷さん「試行のときは、周辺住民から”煙が入ってくる”といった声がありました。それと、8時までと設定していたんですけれども、9時、10時と遅くまでやっていた方がいたようです。声がうるさかったという意見も若干ありました」

中村さん「ですが、ダメだ辞めろというような意見はあまりなくて、ほとんどが“楽しかった””やって良かった”という声でしたね。多少問題が起きた一部の公園では実施をしないことにして、翌年から本格実施することとなりました」

他所の自治体では、怒鳴り込んでクレームが来るというケースもあるとよく耳にします。港区ではそのようなことは無かったということでしょうか。

高舘さん「区長まで報告が上がるレベルのクレームが届いたという話は、今まで聞いておりません。花火を禁止していた時期でも、港区民の皆様に、(公園での花火はルールで)禁止にしているんですとお伝えすると、そうですか、残念ですと納得してくださる方が多い印象でした。結構皆さん諦めていらっしゃったのかなとは思います。現場の感覚としても、お断りするのは少し心苦しいというのはありました」

比較的高所得者が多い港区民らしいといえば港区民らしいエピソードですが、公務員さんには公務員のご苦労があるようです。

中村さん「試行期間を行ったことでクレームは主に、時間帯のルールを守らないことと、ゴミをそのままにしているというものが多かったことがわかりました。私どもとしては、逆にルールを徹底することができればできるのではないかと考えたのです」

港区の公園での花火に関しては、冒頭の利用期間設定に加え、

1.バケツに水を汲んで用意すること
2.周りを含め、火が燃え移る可能性のある場所(芝縁、植込み付近等)では行わないこと
3.花火等のごみは、すべて持ち帰ること
4.打ち上げ花火やロケット花火等、音のなる花火や飛ぶ花火は、近隣住民や公園利用者の迷惑になるので禁止とします
5.花火を持って、走り回らない、振り回さないこと
6.使用後は、火気を消火し、周囲を含めて安全確認をすること
7.近隣住民や公園利用者の迷惑とならないようにすること
8.近所から苦情を受けた場合は即中止すること
9.必ず保護者が付き添うこと

のルールを明文化しました。

この決まりを公園に掲示したり、小学校や幼稚園などの保護者にチラシを配信することで周知を図ったのだそうです。

中村さん「試行のときは、まずやってみるというところから始まったので、周知期間が短かった。なので本番の際には、6月下旬ぐらいからこのルールをホームページに上げたり、Xなどで案内を始めました」

鎌谷さん「ルールを設定すれば、皆さんちゃんとその通りにやってくれます。今、土木課が現場を直接管理してはいないので、直接は報告が上がってこないんですけれども、特段問題になっているということはないです。ポツポツとゴミが置かれたままになっているといったことは昨年度もあったみたいな話は聞いているんですけれども、やめなきゃいけないレベルの大きな苦情が入ってくると我々まで報告が上がってくるので、ご協力のおかげでそういうことはないと思います」

ちなみに、家族での小規模利用ならば申請は特に要らないそうだが、たとえば地域の子ども会などで行うときは申請が必要になるそうです。

今現在、港区内では43カ所の公園が、花火を行ってよい公園に認定されています。選定の基準は、何なのでしょうか?

中村さん「近隣に騒音が漏れないということはもちろんですが、火を使うので地面が砂地であったり建物から離れていたりすること、そこを優先していますね。あと、水道ですね。お水があること」

先ほどの9つのルールの中に「バケツに水を汲んでくること」が定められていますが、実際に家から水を汲んだバケツを持ってくるのは、なかなか大変です。公園の水道が使えるなら、それに越したことはありません。

花火の目的は「子どもたちの夏の思い出づくり」

今回の施策が素敵だなと思ったのが、この措置は「地域の子どもたちの夏の思い出づくり」のために行うことが大きな目的に掲げられている点です。大人だけの花火は禁止されています。個人的にはこのことが、大変素晴らしいと思います。

地方の子どもたちにとって夏休みというと、近所の山や川での虫捕りや魚釣りですが、なかなか都心部でそのような体験を味わうことは難しい。せめて花火くらいは家族で楽しんでほしいと感じてしまうのは、私が田舎者だからでしょうか?地域で子どもを見守りたいという優しさが、区へのクレームの少なさにもつながっているのではないでしょうか。大人だけで花火をすると、どうしても羽目をはずしたりアルコールが入ってしまって周辺住民の苦情に繋がってしまいますしね。

鎌谷さんによると、保護者の方々からは「楽しい思い出ができました」という声をいただいているそうです。

取材日は台風の翌日。色々と土木課の皆様はお忙しい中、隙間を作っていただきました。

ちなみに、今年、港区政80周年で11年ぶりに開催されることになった花火のついでにですが、11年前まで行われていた『東京湾大華火祭』について覚えていらっしゃることについても伺ってきました。

中村さん「そうですね、私は……それこそ20年ぐらい前ですけれども。当時、区役所か何かの抽選で、普通は入れない日の出の港湾部分まで入れさせてもらって、そこで見た記憶があります。レインボーブリッジのちょっと日の出寄りのあたりで、そこからは真正面で見えて良かったです」

鎌谷さん「私は当時、まだ東京の方には出てきていなかったので」

高舘さん「当時は今と違って有料観覧席がそんなになかったので、早く行って場所取りをしていたことを覚えています。隅田川花火大会なんかも同じでしたね。今は、どの花火大会も有料席が増えてきています。お金を取ることについての賛否はあると思いますが、慌てて場所取りしなくても、確実に花火を見ることができるというのはかなり楽ですよね。花火に行くときは前もって予約することをお勧めします」

ちなみに、今年の『東京湾大華火祭』の有料観覧席については、7月上旬からチケット販売が始まるそうです。公式サイトをチェックしておいてください。花火大会の本番は10月24日です!

今回話を聞かせていただいた港区内で花火を行える公園については、区のHPでまとめられています。

まとめられているのですが……皆さん、ご近所の公園の正式な名称をご存知ですか?
子どもたちは「ちょっとそこの公園行ってくるね」とだけ言って出ていきませんか?公園名と住所だけ書かれているので、その公園が果たして私たちの想像しているあの公園かどうか、少しわかりにくいですね。

せめて、地図上で「ここで花火OK、ここはだめ」……と一目でわかるサービスがあれば。

【iOS】 https://apps.apple.com/jp/app/hanabi-navi/id1569765190 【Android】 https://play.google.com/store/apps/details?id=li.yapp.app83C205BA&pcampaignid=web_share

……見つけました!『Hanabi-Navi』です!

玩具花火のトップシェアメーカーが手掛けた公園検索アプリ

浅草橋駅から徒歩すぐの所にある、若松屋の東京支店へ。

ということで、いざまちとしては初めて港区を飛び出て、台東区へと足を運びました。お話を伺ったのは、Hanabi-Naviを開発した株式会社若松屋 営業部の竹内直紀さんです。

商品サンプルの前でポーズを決めてくれた竹内直紀さん

実は若松屋、東京湾大華火祭とも深い関係があるのだそう。

竹内さん「日本の花火業界は大きく2つの分野に分かれています。1つは家庭用のおもちゃ花火で、もう1つは花火大会用の打ち上げ花火(煙火)です。おもちゃ花火というのは弊社での呼称で、正式には玩具花火。皆さんが公園などで遊ぶ形態の花火ですね。日本煙火協会に所属する約320社のうち、約300社は打ち上げ花火専門で、おもちゃ花火を扱うのは20〜30社程度しかありません。ですが、若松屋は両方を扱う唯一の会社として、業界で特異な立ち位置を確保しています。そのため、業界の中では顔が広く。今回の東京湾華火祭の打ち上げ会社の株式会社ホソヤエンタープライズ様にも協力させていただいております。」

竹内さんによると、玩具花火市場では若松屋がトップシェアを持つそうです。

「とはいえ20〜30社程度しかおもちゃ花火を扱うメーカーはないと説明しました。このうち、店頭まで商品を卸すサプライチェーン部分を担っている企業は4社で95%です。自然と弊社の市場占有率は高くなります。そして、国産のおもちゃ花火はどうしても職人さんが丁寧に作られるので価格が高い。我々の主事業は、海外で作られた手持ち花火を輸入し、皆さんがよく見る袋詰めされた形に加工、それを店頭へ卸すことなんです。商社さんに近いですね」

打ち上げ花火も同じで、大きな花火大会などに向け特別な花火を作るのは大事ですが、その目玉となる花火の間を繋ぐ演出用の花火を国内の花火職人だけで賄うのは難しいのだとか。そこで若松屋が繋ぎの花火を海外から輸入し、花火師さんに卸すことで陰で支えているのだそうです。

ショールームには普段見ることのない、花火玉の実物大レプリカも並んでいました。

となると、業績は安定しているように思えるのですが、どうして花火ができる公園を検索するアプリなんて開発したのでしょうか。

一番は人口減少です。データを見ると一目瞭然だったのですが、子どもの減少により市場は縮小傾向にある。おもちゃ花火をする場面を思い浮かべてみてください。そこには必ず、子どもの姿があるでしょ?」

確かに。親戚の集まりで子どもが増えれば、自然とそこでは花火を行っていた気がします。とはいえ、子どもが減ったにしても0ではありません。それなのに数字が落ち込んでいくのは何故か。竹内さんは、様々な人になぜ花火をしなくなったのか聞いて回ったそうです。

そしたらよく出てきた意見が、“やる場所がない”だったのです。花火をやるかどうかって、思っている以上に育ってきた地域や家庭による影響が大きい。だから、ただ減っている子どもの数を見ているだけではなく、まずはやる場所を教えてあげて、おもちゃ花火で遊んだ経験がある子どもを増やしてあげようということになりました

こうして誕生したのが『Hanabi-Navi』だそうです。あくまでも現状、花火をやる場所がないという理由で消極的になっている人たちの呼び戻しと、将来の顧客育成を目的としている事業のため、別に何の収益があるわけでもないそうです。

ですが、決して片手間でやっているわけではありません。きちんと現地に足を運んだり、取材を実施したりしているそうです。

「実験」として体験する線香花火づくり

さらに、花火に親しんでもらえるようにという取り組みはほかにも行われています。それが、線香花火作りです。今回、特別に私も線香花火づくりを体験させていただきました。

まず薄く細長い和紙の端を三角形に折り、そこに少量の火薬を挟み込みます。先端部を作るため、手を軽く濡らしてこよりを作ります。導火線ができたら、そのままの勢いでこよりの中に火薬を巻き込みます。

こよりを補足硬く締める作業が最も難しいところで、ここでうまくいかない人が多いのだとか。

火薬部分をきゅっときつく締めたら、あとはくるくるくるくると、持ち手となる部分のこよりを縒っていきます。

先端部分を作る作業がとても難しく、素人が作ったものとプロが作ったものは一目瞭然です。

上が竹内さんが作った物。下2本が私が作った物。

竹内さん「花火は製造にも保管にも、とても厳しい制限がかかっています。免許が必要なんですね。弊社でも愛知県に130棟の花火保管庫を持っていますが、万が一火が付いた時に近隣に被害が及ばないよう、かなり厳重に保管されています。この基準は、おもちゃ花火にもあります。なので、今やっていただいた花火づくり体験は、実験という建付けになっています。必ず、免許を持っている私たちと一緒に作ってもらう。初めて作った人といつも作っている職人で、どういう違いが出るのか実験をしてみましょうという建前です。なので、お土産に持って帰りたいと言われても、持ち帰りは禁止しています。必ず火をつけて作った花火は消費してもらいます」

ちなみに、私が作らせてもらった2本は、1本は失敗。もう1本はきちんと最後まで燃えてくれました。

都心の花火を変える「エコパッケージ」と「煙の出ない花火」

ところで、昔ながらのパッケージのおもちゃ花火に交じって、見たことのないシンプルなパッケージの商品が展示されていますね。これは何なんでしょうか。

フレグランスと言われても信じてしまいそうなお洒落なパッケージ。

竹内さん「こちらは、エコパッケージ花火という新商品ですね。今、弊社で力を入れている商品です。この袋の中に種類によってですが30本から90本入っています。。各花火をまとめるテープも紙帯にしたので、ビニールのパッケージや、剥がしたセロテープといったゴミが出ません。我々メーカーとしても、パッケージングの負担が激減するため、大きなコストカットになっています」

店頭で玩具花火の派手なパッケージを見て選ぶ瞬間はワクワクしますが、いざ花火をするタイミングになると、暗闇の中でビニールを剥くことになるわけで、パッケージの派手さは関係ありません。それよりも、花火が終わった後に、燃えカスと一緒にゴミを突っ込んだバケツの中から、ビニールを取り出して分類する作業が大変になるというデメリットの方が多かったように思います。

でも、すべて紙ゴミになるならば、終わった後のゴミはそのまま燃えるゴミに出せるわけですから、買い手としても嬉しいことだらけです。まして、都心の公園で花火をやるんだったら、なるべく行きも帰りも荷物を少なくまとめたいわけで。このパッケージ商品は革新的です。

竹内さん「都心部でやるんだったら、煙が出ないタイプの花火もお勧めです。玩具花火というのは、昔から基本的に3種類しかありません。1つは、先ほど作っていただいた火薬を紙で包むだけの線香花火。2つ目は、紙で作ったパイプの中に上から火薬を詰め込んでいくタイプの花火。色が次々変わっていくタイプの花火ですね。最後が、竹ひごなどを液状になった火薬に付けて固着させるタイプの花火。これは大きな線香花火のようなものをイメージしてもらえればいいと思います。線香花火は割愛します。2つ目の花火は、紙パイプの長さや包む火薬の量によって長時間燃焼させることができるのですが、火薬以外に紙が燃えるため煙が大量に出てしまいます。一方、3つ目の花火は、基本的に火薬以外に燃えるものがありませんので、理論上は煙が少ないはずなんです。もちろん実際には少しは出るのですが。なので、最近はこの手の花火のみを詰め込んだ、煙の出ない花火セットなんてパッケージも販売しています」

煙が少ないタイプの花火を詰め込んだパッケージ。

そのような区分があるなんて、これまで生きていて考えたこともありませんでした。この区分を知って花火を選べば、都心部で花火遊びをしても、煙が多すぎるという苦情を減らすことができるかもしれません。

このほかにも竹内さんからは、花火の中の火薬が湿気ることは本来ないので、紙筒タイプなら先端の紙切れ部分を切ってから火をつけると着火することや、線香花火は燃える段階によってそれぞれ名前が付いていることなど、よく知っているようでまるで知らなかった花火トリビアを次々と披露していただきました。

ちなみに、Hanabi-Naviでは、調査で花火ができると判明したとしても、必ずしもすべてのスポットを記載しているわけではないそうです。

竹内さん「隣同士の公園どちらでも花火が可能だったとして、極端に狭かったり、水栓が遠かったりした場合にわざわざ不便な公園を選ぶ人はいないですよね。だから、そのエリア内で花火に使いやすい場所を優先して掲載するようにしています」

区内の公園で花火を行う場合は、区のHPと合わせて、Hanabi-Naviも活用してみてはいかがでしょうか?

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