
【実際に体感!】新橋で日本のお茶について学ぶ!「ティーカレッジ」に参加してみた
抹茶ブームなどで、世界中から注目を浴びている日本のお茶。
そんな日本のお茶を気軽に楽しんだり、お茶について知れるスポットが、港区の新橋にあります。それが、カフェ「CHAYA 1899 TOKYO」です。
「CHAYA 1899 TOKYO」では、月に数度、日本茶について理解を深めながら「急須でお茶を淹れる」体感ができるイベントがあると聞き、「いざまち」では実際にイベントに参加してみました!
「CHAYA 1899 TOKYO」とは?
千代田区・お茶の水にあるレストラン「RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU」を手がけた株式会社龍名館さんが、お茶の文化・ライフスタイルを発信していく拠点として、2018年にオープンしたホテルが「HOTEL 1899 TOKYO」です。

画像提供:株式会社龍名館
ホテルでは、客室内に4種類のお茶があったり、お茶の香りがするオリジナルアメニティが備え付けられているそうですが、それだけではありません! 2階には宿泊者専用のティーカウンターがあり、滞在中は抹茶や煎茶、季節のお茶を楽しむことができるのです。
まさに「お茶のある日」を満喫できるホテルですが、ホテルに宿泊するのはちょっとハードルが高い、という方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方におすすめなのが、ホテル1階にあるカフェ「CHAYA 1899 TOKYO」です。
こちらでは、急須で淹れた煎茶やほうじ茶を筆頭に、抹茶ソーダや各種日本茶ラテといったドリンクが気軽に楽しめます。「茶美豚のすき丼」といったお茶によく合うフードや、お茶のスイーツなど、軽食やランチに合ったメニューもあるので、気軽に立ち寄れますね!
急須で淹れたお茶を楽しみながら、お茶を学べるティーカレッジ
「CHAYA 1899 TOKYO」では、月に数回「1899ティーカレッジ」を開催しています。
緑茶にとどまらない「日本のお茶」に関連した、毎回異なるテーマで行われていますが、多くの場合急須でお茶を淹れる体験が含まれているとのことです。
今回取材させていただいたティーカレッジのテーマは、初夏の開催ということで、「〈お茶の旬を味わおう!〉新茶コレクション(西日本編)」です。
参加の皆さんの大半が初参加の方だったということもあり、日本茶シニア・インストラクターの資格を持つ講師の竹内ひさ代さんから、そもそもお茶とは何か、日本茶とは? といった部分から丁寧に説明がありました。
新茶が、チャノキという植物の新芽を4~5月ごろにその年最初に摘んだものと説明したところで、日本茶インストラクターの方が淹れた西日本各地の新茶が到着!
西日本編ということで、今回取り上げる産地は屋久島・鹿児島(知覧)・宮崎(日南)・福岡(八女)・京都(宇治)となっていて、この順番で試飲していきます。
鹿児島県の産地が二つも? と思われた方もいるかもしれません。実は、近年鹿児島県はお茶の生産が盛んになっており、2024年の生産量はなんと静岡県を抜き去り、初の全国一位となりました。2024年は生産量が静岡、鹿児島、三重の順でしたが、日本茶の勢力図が現在大きく変化しているとのことです。
5つの産地のお茶は、流石日本茶インストラクターの方が淹れただけあって、それぞれの個性をはっきりと感じられるものになっていました。同じお茶でも色が全く違う点にも注目!
・屋久島…若干青みも感じるフレッシュな味だが、後味はすっきり
・鹿児島…ふくよかで重厚な味
・宮崎…複数の品種がブレンドされているということで、複雑で広がりのある味
・福岡…まろやかな口当たり。香りがよく、うまみが強い
・京都…ほどよい渋みがあるが、後味に悪影響はなく上品に消えていく
個人的には、福岡(八女)のお茶が気に入りました! 是非飲みに行きたいところですね。
ちなみに、八女は日本のどこにあるかというと、福岡の筑後地方にあり、福岡市よりも佐賀市に近い場所にあります。
新茶について学んだところで、お待ちかねの急須でお茶を淹れる体験が始まります。
最初に新茶を急須で淹れる際の最適な温度についての説明があり、お家で淹れてみる際の参考にできるようになっています。
味のバランスがよくなるのは80℃くらいとのことですが、香りがより立つのはもう少し高めの温度になるということでした。
理論を学んだら、いよいよ実践です。
茶葉と急須、茶碗が二つ各参加者に配られ、お湯の入った容器も渡されます。
茶葉を急須に入れたら、茶碗に八分目まで適温のお湯を注いで、それを急須に入れます。
30秒待ったら、少量ずつ交互に一つ目の茶碗→二つ目の茶碗、二つ目の茶碗→一つ目の茶碗の順に注ぐ「廻し注ぎ」を行うことで、濃さを均等にできるということです。
お茶が注げたら、「お茶請け」と一緒に楽しみます。
お茶請けは豪華なミニ抹茶パフェと抹茶タルトとフルーツのセット!

画像提供:株式会社龍名館
ミニ抹茶パフェは、普段カフェで提供しているもののミニサイズということで、施設のロゴが記されたおしゃれな一品になっています。
参加者の方々は丁寧にお茶を淹れると、お茶請けともども楽しんだり、講師の方に質問をされていました。
ティーカレッジ全体としても、参加者の方と講師の方で質問を通じてコミュニケーションをとりながら、終始なごやかな雰囲気で進んでいました。
気になったことがあれば気軽に質問できる雰囲気で、皆さん日本のお茶について学びを持ち帰っていました。
イベントを始めたきっかけと想い
「CHAYA 1899 TOKYO」のドリンクメニュー作成やティーカレッジのイベントを担当されている、日本茶インストラクターの坂上克仁さんにお話をうかがいました。
まず、ティーカレッジはどのようなきっかけで始められたのでしょうか?
「きっかけとしては、『急須ばなれ』が進むなか、お茶を中心とした日本の文化を発信していこうという取り組みの一つして始まりました」
ペットボトルやティーバッグなどで緑茶などの日本のお茶とかかわる機会は多くありますが、急須でお茶を淹れるという体験となると、若干馴染みが薄くなっている印象があります。
「日本の文化を発信していく拠点として最初にお茶の水にオープンした『RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU』は、日本茶を使用した和食やスイーツを提供しているレストランです。このようなレストランをオープンしたのは、運営会社の株式会社龍名館が、徳川将軍家に茶の湯用に水を献上したことが地名の由来とされるお茶の水という土地に、ホテルの本店を構えているということも一つの理由でした」
最初にお茶の水にレストランがオープンし、その後新橋に同じコンセプトのホテル&カフェがオープンしたということでしたね。それでは、ティーカレッジはどのように始まったのでしょうか。
「ティーカレッジの取り組みは、約10年前から始めています。当初はお茶の水のレストランで、年に3~4回ですが、参加者30名という現在の10名から見ると大規模な形で開催していました」
現在のティーカレッジに比べると、頻度が少ない一方で学校のような大所帯での開催だったんですね。
「転機は新型コロナウイルスですね。オンラインに移行し、事態が落ち着いてきてからは新橋に場所を移し、5名ほどで再開。落ち着いてきてからは現在の10名が中心です」
今後も、ティーカレッジは基本的に定員10名で開催していき、別途カフェ全体を使った大規模なイベントと組み合わせる形になるということでした。
2024年は毎月変わるテーマで月2~3回行われており、何度も参加されている方もいらっしゃるとのことでした。
「参加者は8~9割が女性の方ですね。約半数がリピーターの方という回もありますが、システム上一度に申し込めるのは最大2名にするなど、お一人でも参加しやすい工夫をしています」
例えば複数のお客様がグループで固まっていて、講師に質問したりしにくい……といった状況が起こらないように対策されており、気軽に参加できるようになっています。
一方でそれほどまでにリピーターの方が多い理由として、ティーカレッジが毎月様々なテーマで開催されていることがあるでしょう。過去にはどのような回があったのでしょうか。
「今回のような新茶のほかにも、抹茶や和紅茶や地方番茶(各地の伝統的な番茶)や、夏場の冷たいお茶の淹れ方といった回もありました」
個人的に面白いと思ったのが、抹茶の回です。その回の講師が所有している家庭用の茶臼(茶葉を挽いて抹茶にする用途専用の臼)を持ってきていただき、参加者が挽いた抹茶を好きなだけ用意したジェラートにかけられるという回だったそうです。
「日本のお茶」をテーマとして幅広いお茶を扱っているため、暑い時期の冷たいお茶の淹れ方をはじめ、季節に合わせて取り上げるお茶の種類を変えるなど、日本の四季を感じられるイベントになっています。
「ティーカレッジの取り組みを含め、レストラン・ホテル・カフェの三業体でお茶がある日常とはどういうものかを知ることができる、お茶のショールームを目指しています」
お茶のある日常を体験できる空間……「お茶のショールーム」という呼び方がぴったりですね!
ショールームで得られる知見だけでなく、ティーカレッジに参加することによって、お茶について学びながら、日々の生活の中にお茶を取り入れていくことができそうです。
気軽な利用から、日々の生活にお茶を取り入れる体験まで
新橋の「CHAYA 1899 TOKYO」で開催されたティーカレッジの模様をお伝えするとともに、コンセプトを同じくする施設についてもご紹介しました。
ティーカレッジについてもう一つ気になる点として、「じゃあどうやって参加すればいいの?」という疑問があるかもしれません。
CHAYA 1899 TOKYO」では、ティーカレッジの予約受付に、イベントを通して人や体験と出会える『ピーティックス(Peatix)』(https://peatix.com/)を利用しています。
ティーカレッジについて各回の詳細を知りながら簡単に参加予約手続き・参加チケットを購入でき、当日は時間になったらカフェに来店して電子チケットを見せるだけで参加することができます。
非常に手軽なので、お時間がある際はぜひ参加してみてくださいね!
なお、今後の開催予定については、こちらをご確認ください。

カフェの店内には茶箱も
もちろん、まずはカフェに訪れてみて日本のお茶への興味を深めてみることもよいでしょう。
2025年7月1日から9月30日までの間、日本茶クリームソーダ(抹茶クリームソーダ・煎茶クリームソーダ・ほうじ茶クリームソーダ・和紅茶クリームソーダ)を販売するなど、季節に合わせた気軽に手に取れるドリンクも多数販売されています。
日本茶クリームソーダ以外のドリンクも、茶釜からお湯を汲んで急須で淹れていだく日本茶から抹茶ソーダや濃茶ラテなどのバリエーション、自分に合ったお茶を選べる楽しみがありますので、楽しみながら探してみてください!
【CHAYA 1899 TOKYO】
住所:東京都港区新橋6丁目4番1号
アクセス:JR線・東京メトロ銀座線「新橋駅」烏森口徒歩約10分
営業時間:11~17時(ラストオーダー16時30分)
休業日:なし(臨時休業は公式HPでお知らせします)