【街の音楽】……外苑前駅でバイオリンを弾いているのはなぜ?
ハンガリーの有名彫刻家の作品を町中で発見!
地下鉄銀座線外苑前駅を表参道側の出口から出ると目の前に、バイオリンを弾いている男性の銅像が立っています。
あまりにも町に溶け込んでいるため、この辺りで働いている人や暮らしている人は、何の像なのか気にも留めずに通り過ぎていることでしょう。
かく言う私も、会社のブログが始まるまで、ほぼ毎日見ているのに気にも留めたことがありませんでした。たまに意識するとしても、神宮球場でヤクルトスワローズが勝った時に、ファンがこの像の前のベンチで集まって盛り上がっているのを見ているくらいです。
この像は、国土交通省の「青山通り景観整備事業」で設置された「幸福のモニュメント」シリーズの第一号だということです。
「青山通り景観整備事業」とは、青山通りを「日本そして世界に誇れるような美しい道路空間とする」ことを目的に勧められている景観整備事業です。弊社の目の前にあたる青山一丁目交差点から渋谷区の宮益坂上交差点(骨董通りの入り口)までの約2.3㎞の区間において、街路樹や舗装などの一体的な整備を行っています。
この事業の中で、通りの景観の統一感を持たせるべく同一テーマでモニュメントを設置する計画も浮上。第一弾としてこの像が設置されました。
像のタイトルは「街の音楽」。作者はハンガリーを代表する彫刻家クリグル・シャーンドル(19482.27-)です。2009年の日本・ハンガリー国交樹立140周年および、国交回復50年の際に、「幸福のモニュメント」計画をきいたハンガリー政府の賛同を得て、2011年に寄贈されたそうで、オリジナルはハンガリーのセゲド市の中心に置かれています。
クリグル・シャーンドルは、ハンガリーの国民的な芸術家を讃える、ムンカーチ・ミハーイ賞を受賞したほどの人物です。日本では本来、美術館でしかお目に掛かれていないような人の作品が、町中に自然にあるのはなかなかすごいことですよね。そういえば、青山通り沿いには岡本太郎の大作彫刻「こどもの木」もあります。
この調子で、第二弾、第三弾と幸福のモニュメントの誘致が成功すれば、アートな通りとして知られることになるかもしれませんね!
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