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港区歴史探索・地名のヒミツ 「台場」

2023年9月25日

台場の由来

台場の由来は、江戸時代、かの有名な「黒船来航」にさかのぼります。

1853年、アメリカのペリーは4隻の巨大船を率いて、神奈川県の浦賀沖に来航します。半分の2隻は、最新技術を駆使した巨大な黒塗りの「蒸気船」で、武力もパワーも桁違い。

江戸幕府は、開国を迫り来航したペリー艦隊に脅威を感じ、江戸湾の防備を強化しようと、品川沖に砲台を置く場所(=台場)を、11基建設することにしました。

しかし、1854年、ペリーは再度来航。恐れをなした日本幕府は、「日米和親条約」を締結し、ついに長年続いた日本の鎖国は破られたのです。

こうなると、もう砲台の建設は不要になってしまいました。6基完成したものの、台場建設計画は中止に。

そのうちの「第三台場」は、東京都に払い下げられ、昭和のはじめに「台場公園」として市民に解放されました。「お台場臨海公園」に隣接しており、園内には砲台の台座のレプリカが。江戸時代、幕府が右往左往した名残を垣間見ることができます。

ちなみに、6基のうち4基は、残念ながら埋め立てなどで姿を消しました。残る1つ・「第六台場」も同じく東京都に払い下げられたものの、こちらは貴重な史跡として海上に保全され、一般市民の立ち入りは禁じられています。いつか公開される時がきたら、江戸時代の名残を発見できるかもしれませんね。

お台場といえば? ゆかりの2大ミステリー

さて、台場と言えば、ドラマや小説など、ミステリーの舞台でもあります。

『踊る大捜査線』

1つは、台場の名を一躍日本に知らしめたフジテレビ系列のTVドラマ『踊る大捜査線』。主人公・青島が勤務する所轄の「湾岸署」は、ドラマ放送当初は架空の警察署でした。シリーズ1の当初は再開発中で、「空き地署」なんて揶揄されていた湾岸署ですが、今では一躍、テレビ局や商業施設で有名な観光都市に。

ドラマ放送後も4度にわたって映画化され、第2弾のタイトルにも使用されたレインボーブリッジは、お台場の象徴の1つでもあります。

余談ですが、2008年(平成20年)、東京港臨海地区を包括的に管轄する新たな警察署として、江東区青海に「東京湾岸警察署」が新設されました。頭に「東京」が付くものの、「湾岸署」が実在のものになるとは、感慨深いですね。

『安積班』シリーズ

今野敏氏の小説『安積班』シリーズもまた、台場の地にゆかりある作品です。佐々木蔵之介さん主演で、TBS系列ではシーズン6までTVドラマ化されました。ドラマでは原宿の「新南署」のイメージが強い安積班長ですが、原作では、東京ベイエリア分署→新南署→東京湾臨海署と異動しているのです。

臨海署の管轄は、台場をはじめとする湾岸地域。台場地区も度々登場します。

ドラマや原作好きの方は、一度聖地巡礼してみても面白いかもしれないですね。

【台場駅】
路線名:ゆりかもめ
住所:東京都港区台場2丁目6番先

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