港区の坂・「鼠坂(鼬坂)」
2023年9月1日
麻布の住宅街狭くて急な坂がいっぱい
鼠坂は、麻布十番駅の北東。狸穴稲荷神社の北に延びる急こう配の坂道です。
港区のHPによると、かつて江戸の町には、細長く狭い道をでねずみ坂と呼ぶ慣習があったそうです。外苑東通りから鼠坂に入る入口の部分は、鼬坂ともいわれます。どちらにせよ小動物の名前なので、昔から細長く、狭い坂道だったのでしょう。この辺りは、名前のついた坂道の宝庫でして、狸穴坂、植木坂、永坂、於多福坂と急坂がたくさん。
麻布という町はそれだけ高低差が激しい地域ということです。
都内に3か所ある鼠坂
私はもともと大学で近代日本文学を専攻していたこともあり、『鼠坂』というと森鴎外の短編小説が頭に浮かびます。鼠坂で暮らす親友が催してくれた宴会での出来事を描いたとても短い作品なのです。前半の鼠坂の描写がやけに子細だったことと、鷗外の作品にしては珍しいホラー要素が入る作品のため印象に残っていました。
調べてみたところこの鼠坂は港区麻布ではなく、文京区だそうです。今回改めて『鼠坂』を読み直したところ、確かに冒頭一行目に
“小日向から音羽へ降りる鼠坂と云う坂がある。”
と明言されていました(汗)
東京都内にはほかに新宿区にも、鼠坂があるそうです。
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