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港区の坂・「雁木坂」

2023年8月31日

坂道に石段があればそれはすべて雁木坂

東京タワーの西。国道1号から奥に入った突き当りに石段で登る坂道があります。この坂道を雁木坂といいます。

雁木とは、そのものずばり石段で作られた坂道のことを指しますので、全国各地に同名の坂道は存在します。港区のHPによると、ここの雁木坂は当て字で岩岐坂とも書いていたそうです。

全国に残る雁木坂の多くは、石段の原型をとどめていないものが多いですが、ここはまだ石段の形で使用されています。

がん?かり?同じ鳥にふたつの名前

雁木の「雁」とは、、カモ目カモ科ガン亜科に属する水鳥・ガンのこと。

ガンは冬に日本へ群れで飛来する渡り鳥。群れで渡りを行う時の姿を「雁行」と言います。

これがその雁行です。先頭の一羽に連なるよう、直角を作って編隊飛行を行います。この直角が石段の角に見えることから、雁木という表現になったと考えられています。

さて、このガンですがカリとも呼びます。さらに、ガンを表す漢字には「雁」と「鴈」の2種類が存在します。使い分けはなくどちらも同じ意味を持つ漢字。「ガン」とも「カリ」とも読むことができます。

平安時代にはガンの鳴き声は「カリカリ」と表現されています。

これを、漢字で書くと「雁は雁雁鳴く」。混乱しますね。

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