港区歴史探索・駅名のヒミツ 「青山一丁目」
2023年8月10日
駅名なのに存在しない……幻の町名「青山一丁目」
東京メトロと都営地下鉄、合計3路線が乗り入れている「青山一丁目」駅。実は「青山一丁目」なる名の番地は地図上で存在しないのです。そもそも現在の町名では「青山通り」を境に、「北青山」「南青山」と分かれており、「青山」という町名すら存在しません。いったい、この「青山一丁目」という地名は、どこから出てきたのでしょうか。
路面電車を通すときについた幻の地名だった?
後に銀座線となる「青山一丁目」駅が開業したのは、1938(昭和13)年のこと。1978年には半蔵門線が、2000年には都営地下鉄大江戸線が乗り入れてきます。現在、青山一丁目駅の所在地を確認すると、東京メトロ線の駅は南青山一丁目に、都営大江戸線の駅は北青山一丁目に作られています。
しかし、駅の真上の交差点には、「青山一丁目」の文字が……。
この町名の由来として最も有力とされている説は、1904(明治37)年、「青山北町」「青山南町」の間の道(現・青山通り)を路面電車が通ることになった際に付けられたのではないか……というものです。
この時、青山通りは町境でして、北は「北青山一丁目」、南は「南青山一丁目」という町名でした。ちょうど中心にできた路面電車の駅名や交差点名をどうするかという話となった時に、間をとって「青山一丁目」にしたのでは……というわけです。
【青山一丁目駅】
路線名:東京メトロ銀座線・半蔵門線、都営地下鉄大江戸線
住所:東京都港区南青山1-1-19(東京メトロ)、東京都港区北青山1-2-4(都営地下鉄大江戸線)
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