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東京にある寺院のうち約10%が存在する港区

2023年8月18日

令和4年に発表された文化庁「宗教年鑑/全国社寺教会等宗教団体・教師・信者数」の「寺院(宗教法人を含む宗教団体数)」の数を見ると、

1位/愛知県(4,533寺)
2位/大阪府(3,364寺)
3位/兵庫県(3,281寺)
4位/滋賀県(3,199寺)
5位/京都府(3,054寺)
6位/千葉県(3,000寺)
7位/東京都(2,877寺)

となっています。お寺巡りが有名な京都が1位ではないの?と思ってしまいがちですが、群を抜いて寺院が多い県は、尾張徳川家のお膝下である愛知県。

東京都に存在する寺院は約2,800寺ですが、実はその10%程度、約280寺が港区にあります。その理由として、江戸時代に大名屋敷が多く立ち並び、さらに現在の芝4丁目市近辺が旧東海道から江戸に入る関所であったことなども関係していると言われています。

徳川家の菩提寺・大本山 増上寺

本山格・本寺格のお寺も存在する港区ですが、なかでも徳川家の菩提寺である大本山 増上寺はその筆頭。当初は千代田区にありましたが、江戸城拡張に伴い1598年に現在の港区芝大門に移されました。増上寺には、2代将軍秀忠をはじめとする6名の将軍、5名の正室のほか、5名の側室、将軍の子女などを含め、徳川家に所縁のある38名が眠っています。

重厚な門構えには、もちろん三葉葵も記されています。

宝物殿では、英国王室コレクションとして保管されていた二代将軍秀を祭る「台徳院殿霊廟」の復元模型を見ることができます。台徳院殿霊廟は日光東照宮のモデルとされていました。戦火により焼失してしまいましたが、極彩色の豪華な霊廟は、模型といえども圧巻です。

また、増上寺は節分の豆まきでも有名。年男・年女の著名人が集まり、福豆だけでなく豪華賞品も撒かれます。

大本山 増上寺
住所:東京都港区芝公園4-7-35

【徳川将軍家墓所】
時間: 平日11:00~15:00(最終入場14:45)、土・日・祝10:00~16:00(最終入場15:45)
定休日:なし
※2023年12月下旬以降は毎週火曜(祝日の場合拝観可)
料金:500円(高校生以下無料)
アクセス:都営地下鉄三田線御成門駅より徒歩3分、芝公園より徒歩3分、都営地下鉄浅草線・大江戸線大門駅より徒歩5分

赤穂事件の四十七士とその主君が眠る・萬松山 泉岳寺

人形浄瑠璃から歌舞伎、映画などで200年以上も日本人に愛され続ける『忠臣蔵』。実際の赤穂事件を元に創作された物語です。不条理な切腹を命じられお家断絶された主君・浅野内匠頭の仇討ちを行うべく、旧暦の12月14日未明、大内蔵之介率いる47人の赤穂浪士が墨田区本所の吉良邸に討ち入り。大石らは打ち取った吉良の首を持って泉岳寺まで約10kmの道のりを歩き、主君の墓前に供えました。

その後浪士たちは切腹となりましたが、現在は全員が主君である浅野内匠頭と同じ泉岳寺に眠っています。

 

泉岳寺では、現在も12月と4月の年2回「赤穂浪士祭」が開催されています。12月は討ち入りと同じ12月14日に開催され、白眉は赤穂浪士に扮した四十七士らによるパレードが行われます。吉良を打ち取った大石たちが歩いた道の一部をそぞろ歩き、最後に浅野内匠頭の墓前に集まる姿は必見です。

 

萬松山 泉岳寺
住所:東京都港区高輪2-11-1

時間: 7:00~17:00
アクセス:都営浅草線泉岳寺駅「A2出口」より徒歩3分

新選組一番隊隊長、沖田総司が眠る・一向山 専称寺

六本木駅と麻布十番駅の真ん中、六本木ヒルズの裏手にある小さなお寺が一向山 専称寺。ここにはあの新選組最強と言われた一番隊隊長・沖田総司を含む沖田家のお墓があります。
このエリアも江戸時代は大名屋敷が多く建ち並んでおり、専称寺の檀家であった大名の藩士の中に沖田家がありました。

沖田は近藤勇、土方歳三と共に新選組の中核となりましたが、池田屋襲撃の最中、吐血し倒れてしまい前線を離脱したと伝えられています。鳥羽・伏見の戦いには参加できず、千駄ヶ谷で療養し、1868年に死去しました。若くして病気のためこの世を去った沖田は「剣の腕が立ち、色白で病弱な美少年」と長らく伝えられてきましたが、外見については写真などが残っていないため定かではありません。

現在、沖田家の墓を自由に参拝することはできませんが、年に一度開催されている「沖田総司忌」でのみ、参拝することが可能です。沖田の生年については諸説があるため、没時の年齢は定かではありませんが、沖田家の墓碑には24歳という記述があるとのことです。

【一向山 専称寺】
住所:東京都港区元麻布3-1-37

今回紹介した3寺以外にも、推定樹齢750年以上の都内最古と言われるイチョウがある麻布山 善福寺など、古からその姿を残す寺院にはさまざまな魅力が眠っています。近代的なスポット観光の合間に、昔からの姿を残す寺院巡りをしてみてはいかがでしょうか。

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