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「発酵食品は体にいい」の“なぜ”を解決! 港区で日本の発酵文化を知る

2026年3月27日

大門・浜松町エリアから、甘酒をはじめとした日本の発酵文化を発信する「甘酒・雑貨かふぇ こめどりーみんぐ」。オープン3周年を記念し、麹や発酵のお料理を提供している港区のレストランで、改めて麹や発酵の効果を知ることができるイベントが開催されました。

確かに「発酵食品は体にいい」「甘酒は飲む点滴」と言われますが、「なぜ、体にいいのか?」という素朴な疑問も……。でも今回のイベントで、その疑問もすっきり解決。

麹や発酵食品と腸活の関係など、知れば知るほど、発酵の奥深さを実感する時間でした!

▼こめどりーみんぐはこちらの記事でも紹介しています
まるでアイスショコラ!? 実は夏の飲み物“飲む点滴”甘酒の魅力を発信する「甘酒・雑貨かふぇ こめどりーみんぐ」

発酵食品に助けられた! 日本のすばらしさを自信を持って伝えたい

今回のイベントが開催されたのは、「甘酒・雑貨かふぇ こめどりーみんぐ」と同じ、株式会社ゆいまーるが2026年1月に港区三田にオープンした「発酵アトリエ-Dining & Cheesecake-」。

近年は海外の星付きレストランでも発酵調味料が取り入れられるなど、日本ならではの麹や発酵の認知度は着実に高まっています。

株式会社ゆいまーる代表取締役の島袋尚美さんは、ご自身が妊娠中の不安定な時期に、麹や発酵食品に助けられたこと、世界のさまざまな場所を見てきた経験から、日本独自の文化を多くの人に知ってほしい、海外にも発信したいと「麹」「発酵」に注力した「こめどりーみんぐ」をオープンさせた、とその想いを語ってくれました。

株式会社ゆいまーる代表取締役の島袋尚美さん

麹菌は日本を代表する「国菌」! 甘酒が「飲む点滴」と言われる理由とは?

イベントは、「麹」「発酵」のスペシャリストでもある、1873(明治6)年創業の山口こうじ店の専務・山口和真さんによるセミナーがメイン。学生時代は、東京農業大学や大学院で発酵食品及び麹の研究もされており、現在もさまざまな研究を続けられています。

分かりやすく麹や発酵について教えてくれた山口さん

「発酵食品でいちばん大切なのが、『麹』。日本独自の麹菌は、『国菌』にも認定されているんです」

麹とは、「米・麦・大豆などの穀物に麹菌を繁殖させたもの」で、味噌や醤油、日本酒、甘酒など多くの発酵食品の基盤となっています。

食品製造に主に使われる麹菌の代表は、以下の3つ。

・黄麹菌(味噌、日本酒、甘酒などに使用)
・黒麹菌(泡盛、焼酎などに使用)
・白麹菌(泡盛、焼酎などに使用)

この3つの「麹菌」をお米や穀物に付着させ、発酵させることで、さまざまな「麹」になります。

そんな麹菌の大きな特徴は、発酵することで、栄養価をアップさせるとともに、さまざまな酵素を生み出してくれること。

 

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【麹菌が生み出す代表的な酵素】
・アミラーゼ(デンプンをブドウ糖に分解し、グルコースを生産する)
・プロテアーゼ(タンパク質を分解し、アミノ酸やペプチドを生産する)
・リパーゼ(脂質を分解し、脂肪酸を合成する)

そして、麹の働きが分かりやすい例のひとつが「甘酒」です。
なぜ甘酒が「飲む点滴」と言われているのか? ポイントは、体内でのエネルギー源吸収の過程です。

【お米と甘酒の吸収の違い】
・お米:胃で分解→小腸で吸収→血液で運搬されて細胞に届く
・甘酒:小腸で吸収→血液で運搬されて細胞に届く

甘酒は、麹の酵素によってデンプンがブドウ糖に分解されているため、体内で吸収されやすい状態になっています。効率よく細胞までエネルギー源を届けることができることから、「飲む点滴」と言われている、ということ。

さらに甘酒は、コレステロールの吸収を抑える働きがあるとされたり脂質の排出を助ける「レジスタントプロテイン」や、いわゆる「悪玉コレステロール」を体外に排出してくれる黄麹菌由来の「グリコシルセラミド」も摂取できます。

「科学的なエビデンスを出すのが難しかった『麹』という発酵食品ですが、技術の進歩でようやく構造も見えてきて、論文も発表されてきています。これから、どんどん科学的にも解明されていくはず」と、山口さん。

スライドを使用し、論理に基づいた分かりやすい説明に、山口さんの研究者としての一面を垣間見た時間でした(スッと理解できました!)。

「腸活」でメンタルも安定する? 腸内環境は幸せホルモンの生産にも影響

さらに近年注目されているのが、発酵と腸内環境の関係。よく耳にする「腸内フローラ」ですが、「主に大腸に存在するさまざまな細菌がお花畑のように群生していることから『腸内フローラ』と言われているんですね」という説明に、なるほど! と納得。

腸内には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」という3つの細菌がおり、このバランスが大切とのこと。「腸内環境を整え、善玉菌を増加・活性化させること=腸活」です。

腸活には、善玉菌の餌となるオリゴ糖や食物繊維などをしっかり摂取する(プレバイオティクス)ことが必須。これら「菌の餌」と、乳酸菌などの「菌そのもの(プロバイオティクス)」をセットで摂ることは、効率的な腸活として注目されています。

「プレバイオティクスとプロバイオティクス共に、ヨーグルト、漬物、野菜を使った発酵食品に多く存在しています。だから、腸活に発酵食品が良いと言われているんですね」と、山口さん。

 

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ちなみに、腸内細菌が減ってしまうと、アレルギーも深刻化してしまうそう。「花粉症にヨーグルトがいいよ!」と言われるのは、こういった理由からだったんですね。
そして腸内環境は、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌にも影響するとも言われています。

「最近の研究で、腸内細菌はメンタル面にもかなり影響を及ぼしてきているということが分かってきています」との言葉に、会場からも驚きの声が上がっていました。

さまざまな麹を見て! 触って! 食べて!? みよう

今回のイベントで山口さんが用意してくれたのは、「6種類の麹」と、「発酵時間の異なる麹」。

ずらり並んださまざまな麹

「麹を直接口にする機会は少ないと思うので、ぜひこの機会に触れて、食べ比べてみてください」

ということで、参加されていた皆さんとともに、使用する穀物も違う4社の麹に触れる試食? タイム(実はお話を伺っている時から、甘い香りに包まれていました)。

参加者全員で麹を試食する、貴重な体験も!

「同じお米の麹なのに、こっちの方が少しグレーっぽい?」
「香りも違いますよね」
「この麹はお菓子みたいな味」
「この麹、レモンみたい! すっぱい!」

と、参加された方々からも思わず声が上がります。麹菌は大きく分けて3種類ですが、原料や発酵環境の違いによって、香りや味わいに大きな個性が生まれることに皆さん驚かれていました。
そして、発酵時間の違いによっても、見た目はもちろん、色も少し変化します。発酵時間が長くなるほど麹の塊が大きくなるのを目にすると、麹菌の働きを実感できますよね。

発酵時間でこんなに麹が変化します

なかなか目にすることのない「麹」に触れながら、論理的に「麹」「発酵」の力を知ることができた今回のイベント。参加された皆さんは、うなずきながら山口さんのお話に聞き入っていたりメモを取ったり、とても熱心な様子が印象的でした。

「自分の体は食べたものでできている」分かっているけど、なかなか難しいもの。でも、今回のイベントに参加して、積極的に発酵食品を日々の食事に取り入れてみたいな、と感じました。

すべてのお料理に発酵食材を使用!「発酵アトリエ-Dining & Cheesecake-」

今回のイベントが開催されたのは、2026年1月に港区三田にオープンした「発酵アトリエ-Dining & Cheesecake-」。

発酵アトリエ Dining&Cheesecak

発酵アトリエ-Dining & Cheesecake-は、「発酵×バル」をテーマに、さまざまなタパス(小皿料理)とお酒、デザートを楽しめるレストラン。実は、すべてのお料理に発酵食材が使用されています。

「健康のために発酵食材を食べなきゃ!」ではなく、「美味しくいただいたお料理に実は発酵食材が使われていた!」をモットーに、メニュー開発をされているとのこと。

発酵アトリエ Dining&Cheesecakの料理の一例

その言葉の通り、「3種のきのこ発酵アヒージョ」「塩麴スパイシーポテト」をはじめ、麹を使用した自家製サングリアなど、とても珍しいメニューも用意されているので、ぜひトライしてみましょう。
毎週(木)(金)はランチ営業も。発酵スパイスカレーや発酵薬膳スープ、発酵ドリアが、三田周辺のビジネスパーソンのお腹を満たしています。

店名にもあるように、麹を使用した「発酵バスクcheesecake-余韻-」は、ぜひいただきたい逸品。白砂糖不使用ですが、麹の自然で優しい甘さをしっかり感じられ、ディナーの後でも罪悪感なく満足すること間違いなし。濃厚かつ滋味深い味わいは、コーヒーやお酒のお供にぴったりです。

ずっしりしたチーズケーキは満足感も◎! いただいた「桜甘酒」で春を先取りできました!

イベントの後、自家製の麹甘酒の甘さの身で作られた、発酵バスクcheesecake-余韻-の「Koji plain」をテイクアウトでいただいたのですが、「本当に白砂糖不使用!?」と、奥深い甘さ+あっさりとした味わいに驚きました(甘いものが苦手な方にもおすすめできそうです!)。

発酵だけじゃない! さまざまなイベントも随時開催

日本独自の「麹」「発酵」文化を深掘りしたい! 麹や発酵の魅力をもっと知りたい! と感じたら、こめどりーみんぐのInstagramをチェックしてみましょう。お店のコミュニティ「こめどりLABO」に参加してみるのもおすすめ。

また、浜松町・芝大門エリアのまちおこしにも積極的に参加している、こめどりーみんぐ。2026年5月24日(日)には、小学生向けの「歩いて学ぶ歴史体験イベント 親子でお寺探検!増上寺クイズラリー」も開催予定です。

多角的に「日本の魅力」を発信し続ける、こめどりーみんぐさん。次は、どんな角度から私たちに日本の魅力を教えてくれるのか楽しみです!

甘酒・雑貨かふぇ こめどりーみんぐ
住所:東京都港区芝公園1-7-14 KSひかりビル
営業時間:11:00~20:00(火木は7:10~)、土日祝 10:00~18:00
休み:なし
アクセス:都営地下鉄大江戸線・浅草線「大門駅」A6出口より徒歩1分、JR山手線・京浜東北線「浜松町駅」北口より徒歩6分、都営地下鉄三田線「御成門駅」A2出口より徒歩6分

発酵アトリエ-Dining & Cheesecake-
住所:東京都港区芝4-6-7
営業時間:毎週月、火、水、日17:00~23:00/毎週木、金11:30〜23:00
休み:不定休
アクセス:都営三田線・浅草線「三田駅」より徒歩5分、JR山手線・京浜東北線「田町駅」より徒歩10分

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