いざまちローディング画面

オフィスビルでコンサート!?ほんの少し違う日常を届ける「第32回NBFコンサート」に行ってみた

2025年3月6日

今回取材したのは、地下鉄南北線・白金高輪駅周辺の再開発で誕生した「NBFプラチナタワー」になります。

このビルは、再開発で誕生したエリアにおいて、いわゆる「オフィス棟」にあたり、企業のオフィスが入居しています。そんなビルでコンサートを開催している、という情報を「いざまち」編集部では聞きつけました。

一般の方が訪れることの少ないオフィスビルでコンサートを開いているのは、一体なぜなのでしょうか? 隣の商業エリア部分の方が人を集められるのでは? ということで今回取材させてもらうことにしました!

「NBFプラチナタワー」とはどんな建物?


1986年に着工した地下鉄南北線には、白金一丁目付近の駅として白金高輪駅が設置されることになりました。これをきっかけに、1988年から地元の方々が動き出したことで、白金一丁目エリアには再開発計画が立ち上がりました。

再開発によって、白金高輪駅に直結した「白金アエルシティ」が2005(平成17)年オープンし、オフィス棟に当たる「NBFプラチナタワー」も同時に竣工しました。

アエルシティの中で、住宅を中心とした「白金タワー」や隣接する中低層の店舗棟に対して、NBFプラチナタワー(以下、プラチナタワー)はほぼオフィスのみで構成されています。

仕事の疲れも癒される!?コンサートの模様

今回コンサートが開催された場所は、プラチナタワーの一階エレベーターホール前でした。

17時30分、いよいよコンサートが始まりました。
開始前から待っていた方々はもちろん、エレベーターホール前ということもあり、オフィスから退勤してきた方々も足を止めていらっしゃいます。

演奏は黒田由樹さんと市山ゆうさんのお二人によるフルートのデュオ『Duo Dorée』(デュオ ドレ―) で、演奏曲目のテーマは「世界一周」。

最初は日本からスタート。一曲目は葉加瀬太郎さん作曲の『情熱大陸』です。

その後も、イギリス民謡の『グリーンスリーブス』、フランスのエリック・サティによるシャンソン『ジュトゥヴ』、アメリカのジャズ曲として『煙が目にしみる』を演奏していきました。

曲目が進むごとに、退勤される方々も多くなり、後方で立ち見をされる方がどんどん増えていきます。

注目は最後の楽曲アストル・ピアソラによる『リベルタンゴ』。アルゼンチン出身のピアソラが、イタリア滞在中にタンゴを中心に様々なジャンルの要素を合わせた楽曲です。

奏者のお二人から演奏前に解説していただいたのですが、リベルタンゴは起伏が激しく非常に技巧的な楽曲とのことでした。そんな難しい楽曲も吹きこなす、お二人の姿が印象的でした!

演奏が全て終わる頃には、会場では約100人が鑑賞していました。

なぜオフィスビルでコンサートを?担当者の方に聞いてみた

それにしても、なぜほぼオフィスのみで構成されるビルでコンサートを行っていたのでしょうか。

今回のイベントを担当されている、株式会社NBFオフィスマネジメント業務企画部 小澤雅子様にお話をうかがってみました。

「第32回NBFコンサート」は、NBFオフィスマネジメント様が主催するイベントです。
オフィスビルに特化した不動産投資信託法人である、日本ビルファンド投資法人=NBF(Nippon Building Fund)が保有するオフィスビルの管理をしている会社が、NBFオフィスマネジメント様になります。

「NBFオフィスマネジメントでは、オフィスワーカーの方々を通じたテナント満足度の向上を目指し、様々な取り組みをしています」

設備環境的な意味での働きやすさだけでなく、いわばソフト面で従業員のエンゲージメントも高める取り組みをされているということですね。

「現在も、コンサート以外にはフォトコンテストを開催しています。これはNBFオフィスマネジメントが管理する物件内の企業に勤務している方から写真データを募り、プロの写真家の方に審査員を務めてもらい毎年開催しているものです」

昨年のフォトコンテストの入選作品を拝見しましたが、家族とのかけがえのない一瞬や印象的な風景など、様々な作品で盛り上がっていました!

「コロナ渦には『歌うま祭』と題して、カラオケでの歌唱動画を送ってもらい、審査するイベントも開催していたんですよ」

この2つのイベントに共通するのは、受付から審査までオンラインで完結していること。忙しいオフィスワーカーの方々にも嬉しいイベントになっているということですね。

全体的な取り組みについての後、「NBFコンサート」についても詳しくお伺いしました。

「『NBFコンサート』はNBFで管理しているビルで、基本的にランチタイムに開催しているイベントになります。多くは弦楽器の演奏で、今回のようなフルートの演奏は私がイベント担当になってからだと初めてだと思います」

諸事情もあり今回はプラチナタワーのみ17時30分開始と、帰宅のタイミングでの開催となったそうですが、仕事を終えてリラックスしたいタイミングには、マッチした開催時間だったように思えます。

編集部として気になったのは「第32回」という点。年一回だとすると、かなりの歴史があるように思えますが……?

「『NBFコンサート』は、現在は年に一回、複数ビルをまたいで不定期に開催しています。以前は年に春・秋など年に複数回開催していたことがあり、それを1回ずつカウントしています。2007年から開始したイベントですが、コロナ渦による中断もありました」

第32回の場合は、2025年2月の間に5つのビルでコンサートが開催されました。
コロナ渦から2023年に再開したところで、現在は新たな試みをされているそうです。

「第32回は、試験的な試みとしてこれまであまりコンサートを開催してこなかったビルでも開催しています。その一環として、プラチナタワーでの開催となりました」

頻繫に開催しているビルでは、オフィスワーカーの間ですっかりイベントが定着しているとのことでしたが、さらに取り組みを広げているようでした。

オフィスビルに勤められている方々へ向けたエンゲージメント向上の取り組みとして、ランチタイムや退勤後のタイミングにコンサートを行った個性的なオフィスビルを取材しました。
以前、オフィスビルの立地と設備を生かして、マラソン大会を開催したビルを取材しましたが、こちらのコンサートは気になったタイミングでふらっと立ち寄って鑑賞できる点が魅力的でした。
今回、プラチナタワーでの開催はコロナ渦を経た試験的な取り組みとのことでしたが、イベントとして定着しているという他のビルのようにプラチナタワーでも定着していけば、オフィスで働いている方々だけでなく、周囲を巻き込んで地域の皆さんと一緒に楽しんでいけるイベントになるのではないでしょうか。

前の記事

山頂で宴会? 学習院長なのに部屋には隙間風!? 乃木神社の禰宜さんに聞く、乃木希典エピソード