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【行ってきました!】芝公園・増上寺など港区の名所と防災スポットをめぐる「みなとく 防災・観光×イラストさんぽ」

2025年7月18日

港区の名所を解説付きでお散歩しつつ、万が一に備えた防災知識も身に着けちゃおう! 参加すると、浜松町・芝・大門マーチング委員会が作る港区の絵葉書ももらえちゃう! という、お得なイベント「みなとく 防災・観光×イラストさんぽ」。芝公園周辺の観光・防災スポットや港区百景が描かれたポイントを巡る、みなと街並み会主催のイベントです。

2025年6月28日に第2弾が開催され、一緒に街歩きしてきました! 今回は「増上寺・芝公園エリアの名所めぐりと防災関連設備確認コース」です。

スタートは登録文化財にもなっている廣度院の練塀見学から!

今回の集合場所でもある三縁山 廣度院の境内に到着すると、早速手渡されたのは、浜松町・芝・大門マーチング委員会によるポストカードセットや港区防災地図などがそろったファイル。

まずは、廣度院の副住職・西城千珠さんと一緒に、お散歩の無事を願ってご本尊の阿弥陀如来様と廣度院と所縁が深いお不動様に手を合わせます。

廣度院のご本尊とお不動様

練塀の構造をはじめ、普段はシートで保護されているので見ることができない練塀の断面を間近で観察。副住職の解説だけでなく、港区観光大使・港区観光協会寺社部会長の澤内隆先生も、興味深いお話を別の角度から聞かせてくれます。サラウンドで解説が聞ける贅沢!

▼廣度院の練塀についてはこちらの記事でも紹介しています
登録有形文化財にも登録! 江戸後期の姿を現在に残す、廣度院の「練塀」とは

練塀の構造、断面を見ながら説明を聞くとより分かりやすい!

廣度院さんを後にして、次は増上寺+芝公園エリアに向かいます(と言っても、すぐ目の前ですが)。

現在は修復中ですが、増上寺の三解脱門の目の前にある、横になが~い緑の遊歩道は、江戸時代は松並木だった場所。当時は「大松原」と呼ばれていたとか。現在は整備もされており、プチ庭園のような様相を呈しているので、お散歩コースにはピッタリですよ。ちなみに、大松原に囲まれるように、誰もが知っている“あの人”の頭像があります。

イケメン、ペリー。大松原のどこにあるか探してみましょう!

名称は「ペルリ像」となっていますが、江戸幕府と日米和親条約を締結したペリー。ペリーの出身地であるニューポート市から寄贈されたもので、澤内先生曰く「若い頃の顔だからキュンとしちゃうかも」とのこと。確かにイケメン!

増上寺にはお坊さんと一緒にランチができる食堂がある!?

大松原を抜け、防災さんぽチームは増上寺境内に移動。先日の「練塀勉強会」が開催された増上寺会館の横を歩いていると、澤内先生から「ここに食堂がありますけど、行ったことある人~?」との呼びかけが。

え? 増上寺って食堂あるの? そして、一般人でも行っていいの?

「増上寺会館の1階に“増上寺会館 大食堂”というのがあるんですね。お坊さんと一緒に1,000円でランチが食べられます」とのこと。参加者全員、はじめて知る事実に驚きの声が上がっていました。お昼時に増上寺周辺に来ることがあったら、ぜひ行ってみようと思います!

▼増上寺の「三大蔵」についてはこちらの記事で紹介しています
増上寺の「三大蔵」がユネスコ「世界の記憶」に登録! 徳川家の菩提寺に眠る、歴史的資料群

いい天気!全員日陰で説明を聞きます。

その後は、戦火を逃れた重要文化財「台徳院霊廟惣門」へ。この惣門は2代将軍・徳川秀忠の霊廟(お墓)の入り口。実はこの場所、現在は増上寺境内ではなく、芝公園の所在地。スタート時にいただいたポストカードのイラストはこの角度から見た姿なんですよ、と浜松町・芝・大門マーチング委員会の日比野さんが教えてくれました!

ご神体は徳川家康の等身大の彫刻 芝東照宮には徳川16代目の痕跡も

区立芝公園のすぐ裏手にある、芝東照宮。緑に囲まれた小高い場所に佇むこの場所も、もちろんポストカードになっています。

芝東照宮がお祀りするのは徳川家康。家康公をお祀りする「徳川四大東照宮」のひとつです(ほかは日光東照宮、久能山東照宮、上野東照宮)。ご神体は還暦時の徳川家康等身大の彫刻で、通常は非公開ですが、家康公の命日である4月17日だけご開帳されるとのこと。

「同じ場所で見ると分かるんですが、芝東照宮の御本殿は木に覆われていて良く見えないんです。だからポストカードでは、画家さんに頼んで、ちょっと葉っぱを減らしてもらっているんですよね(笑)」と、日比野さんが裏話を披露。澤内先生の解説も、全員で聞き入ってしまうお話がたくさんです。

夏とういうのもありますが……緑が元気すぎて芝東照宮の御本殿が見えない!

芝東照宮のご神木は、御社殿に向かって右手に力強くそびえる大イチョウ。3代将軍・徳川家光が植樹したイチョウとか。徳川家にちなみ、現在の5,000円札に描かれている津田梅子と徳川家との関係など興味深いお話を聞いていると、「ここから芝東照宮の鳥居が見えるでしょう」と澤内先生。

「鳥居には“東照宮”の文字が掲げられていますが、その文字は徳川家の16代目の当主・家達(いえさと)によるものです」

へぇ~。やっぱり徳川家と所縁が深い場所なんですね。……あれ? 徳川将軍って15代目までじゃなかったのでは……?

「家達は15代将軍・慶喜が大政奉還し、慶喜にかわって家督を継いだんですね。“いえたつ”じゃなくて“いえさと”と読みます」

確かに、大政奉還までは歴史の授業で習いますが、幕府がなくなったとしても、徳川家がなくなってしまうわけではありません。徳川家達について調べてみると、1877(明治10年)にはイギリスのイートン・カレッジに留学しているとのこと。イートン・カレッジといえば、イギリスのウィリアム皇太子やヘンリー王子も卒業した歴史あるパブリック・スクール。貴族院議長や日本赤十字社の社長を務めたり、とても優秀な方だったんですね。

 

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ちなみに、イートン・カレッジつながりですが、俳優のエディ・レッドメインも卒業生ですよ。

もしもに備えて知っておきたい! 芝公園の「かまどベンチ」と「マンホールトイレ」

芝公園に足を踏み入れると、天気のいい土曜日の午前中でもあったため、親子連れやジョギング中の方など、多くの人たちで賑わっています。

ちなみに芝公園、実は「都立芝公園」「港区立芝公園」「プリンス芝公園」の3つに分かれていることをご存じですか? 今回歩くのは、港区立芝公園。災害時の避難場所に指定されているため、さまざまな防災設備が整えられています。

かまどベンチ。万が一の時、知らないと気づけないかも!

たとえば、通常はベンチですが災害時に炊き出し用のかまどになる「かまどベンチ」や、マンホールの上に簡易便座やパネルを設置することで簡易トイレとして利用できる「マンホールトイレ」。雨水を貯水し、雑用水として使用できる「手押しポンプ」もあります。

災害用マンホールトイレの説明をしてくれる日比野さん。

芝公園付近で被災するか分からないし……と思っても、実物を見て知っておくことで、もし別の場所で被災しても、「これ、かまどベンチかも!」と気づけるかもしれないですよね。暑さを避け、ミストの下でさまざまな説明を聞いていたのですが、お隣で休憩されていた方もきっと聞き耳を立てていた(はず)。

そして港区立芝公園には「平和の灯」があります。「広島市、長崎市、八女市にある3つの平和の願いが込められた灯を合わせたものなんですね。ちゃんと今も灯がともっているでしょ」と、澤内先生。

港区が恒久平和と核兵器の廃絶を広く訴える「港区平和都市宣言」を行ったのは、1985(昭和60)年。宣言から20年後の2005(平成17)年にこの平和の灯が設置されました。いつまでも芝公園で小さな灯をともし続けてほしいと願うばかりです。

平和の灯の説明をしてくれる澤内先生。

約1時間半の「みなとく 防災・観光×イラストさんぽ」は、最後に東京タワーをバックに集合写真を撮影して終了。参加されていた方に少しお話をうかがってみると、「以前同じような港区のお散歩イベントに参加して楽しかったので、今回も参加したんです」と、すっかりファンになられている方も。

東京タワーの前で集合写真。お疲れさまでした!

途中、澤内先生が「話を聞いて終わりじゃないですよ。今日私が話した内容をひとつ覚えて、自分で調べることが今日のゴールです」とおっしゃっていました。
この記事を書きながら徳川家達について調べてみたので、私の「みなとく 防災・観光×イラストさんぽ」は、無事にゴールできたと思います!

イラストさんぽは定期的に開催されているので、気になる人は「浜松町・芝・大門マーチング委員会」の公式ホームページを確認してみましょう。2025年7月26日には、港区観光大使を務めるヴォーカルユニット「REAL VOX」の清水さんと「夏休み自由研究応援イベント!× イラストさんぽ」を開催予定なので、夏休みの宿題に困っているお子さんがいらっしゃる方は要チェックです!

港区観大使の3名はおそろいのTシャツで参加!

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