あの有名人も認めた! 見事なカーブを描く六本木の名坂「薬研坂」の由来と歴史
2024年7月16日
由来は形状が「薬研」に似ていたことから
「薬研坂(やげんざか)」という名は、その坂の形状に由来しています。
坂道には下りと上りがあり、中央がくぼんで両側の高い形が薬を砕く「薬研」に似ているため、名づけられました。
あのサングラスがトレードマークの名物タレントが副会長を務める「日本坂道学会」で、東京都港区の坂番付で上位に認定されたほど、美しくカーブを描く「名坂」。ちなみにその有名タレントは、坂道に関する本を著すほどの坂好きとして知られています。
今回は、その誉れ高き「薬研坂」の由来に迫ります。
そもそも薬研とは何?
「薬研」とは、生薬を粉末にしたり、細かく砕いたりする際に漢方医などが用いる器具のこと。
細長い舟形の形状をしていて、中央がV字形にくぼんでいるのが特徴です。
江戸時代の「薬研坂」の様子
江戸時代の切図でも、「ヤゲンザカ」の文字が確認できます(上の幾重にわたる線は、坂道を表しています)。この資料を見ても、「薬研坂」の由来が古いことがわかりますね。
別名は「何右衛門坂」だった!?
薬研坂は、付近に住んでいた者の名をとり、別名「何右衛門坂(なにえもんざか)」とも呼ばれているそうです。しかし、現状では、その「何右衛門」がどこの誰だったのか、はっきりと特定はできていません。
付近には、TBSテレビや赤坂サカスなど、有名スポットにもほど近い薬研坂。訪れた際には、散策がてら、ぜひぶらりと薬研坂の景勝を楽しんでみてください。
その坂の歴史に秘められた謎とロマンは、当分我々を魅了してくれそうです。