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サントリーホールでも大晦日に開催!「ジルヴェスター・コンサート」ってなに?

2023年12月21日

「年末=ベートーヴェンの第九」と思いこんでいませんか?

年末が近づくにつれ、テレビCMや電車の中吊り広告で目にする機会が増える、「ジルヴェスター・コンサート」。港区のサントリーホールでも毎年開催されています。
「そういえば大晦日って毎年ベートーヴェンの『第九(交響曲第9番)』が流れるよね。テレビでもクラシック・コンサートが放送されるし、そのことかな」と漠然と思う方も多いのではないでしょうか?

でも改めて「ジルヴェスター・コンサートってなに?」と聞かれた場合、説明できる方はあまり多くないかもしれません。

「ジルヴェスター」とは、ドイツ語で「大晦日(聖ジルヴェスターの日)」の意味。聖ジルヴェスターは、12月31日に亡くなった古代ローマ時代のローマ教皇です。そのため、現在でも西ヨーロッパでは大晦日をジルヴェスターと呼んだりするそう。

このことから分かるように、「ジルヴェスター・コンサート」とは、「大晦日に開催されるコンサート」です。英語圏では、「ニューイヤーズ・イブ・コンサート」とも言われます。

主にオーケストラによるクラシック・コンサートですが、世界中で開催されており、12月31日の夜から元日にかけて、年をまたいで開催されることも。ジルヴェスター・コンサートの翌日はニューイヤー・コンサートが開かれることもお約束で、実は、お客さんを入れて開催するニューイヤー・コンサートのゲネプロ(最終練習)の意味もあるんです。

音楽の都・ウィーンは音楽にかこまれて新年を迎える

ということは、音楽の都・ウィーンでも年末のジルヴェスター・コンサートでは第9で盛り上がるのかしら? というのもちょっと違うのです。「年末=第9」というのは、実は日本独自の習慣。ウィーンで大晦日の恒例となっているのは、ウィーンが誇る作曲家ヨハン・シュトラウス2世によるオペレッタ(喜歌劇)『こうもり』です。

ウィーンの旧市街には「ジルヴェスター街道」があり、毎年大晦日には明るいうちから屋台が立ち並び、クラシックだけでなくさまざまなジャンルのライブパフォーマンスが開催されています。

ウィーンっ子たちは特別なタイミングにしか鳴らされない、世界遺産シュテファン大聖堂の鐘と「美しく青きドナウ」(こちらもヨハン・シュトラウス2世によるワルツ)のメロディでワルツを踊り、新しい1年を迎えます。

 

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日本でもウィーンっ子の気分で新年を迎えよう

日本で除夜の鐘と共に迎えるお正月も素敵ですが、音楽に満たされながらの年末を過ごしてみるのはいかがでしょうか?

港区のサントリーホールでは、毎年ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団を招いたジルヴェスター・コンサートが開催されており、『こうもり』もプログラムされています。
もちろん、ジルヴェスター・コンサートの翌日、新しい年を迎えたニューイヤー・コンサートも開催。

東京メトロ「六本木一丁目駅」「溜池山王駅」が最寄のサントリーホールは、日本初のクラシック音楽専用ホールとして、1986年に開館しました。

大ホールの舞台正面には世界最大級の立派なパイプオルガンが携えられており、一瞬にして非日常の世界に飛び込めます。客席はステージを囲み、段々のブドウ畑のような高低差をつけて設けられており(ヴィンヤード型)、オーケストラによるハーモニーに体全体を包み込まれたり、音の圧を直に感じられたりと、席によりさまざまな楽しみ方ができるのも大きな魅力。

設計時も音楽を愛する著名人の意見をふんだんに取り入れられており、「楽壇の帝王」とも言われた指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンもそのひとり。ホール正面のパイプオルガン、ステージを囲むヴィンヤード型の客席はカラヤンのアドバイスによるものだそう。そのため、建物の正面にある広場は「アーク・カラヤン広場」と名付けられています。

「世界一美しい響き」をモットーとするサントリーホールは、世界に誇れる素晴らしいホールです。東京での生活は目まぐるしいスピードで過ぎていきますが、たまには小休止して、都心で音楽に身をゆだねる、非日常を体験するのはいかがでしょうか。

サントリーホール
住所:東京都港区赤坂1-13-1

交通:東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」より徒歩約5分、東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王駅」より徒歩約7分

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