『青山「笑う酒」の会』とは? 青山の老舗酒店で開催される粋な交流会に参加してきました!
青山表参道商店会の中でも、創業100年を超える老舗酒店――それが「青山三河屋川島商店」さんです。
日本酒、ワイン、ウイスキー、リキュールなど、多岐に渡るお酒を取り揃えている同店。月1回程度、日本酒の蔵元をお招きして、参加者にお酒のレクチャーを授けながら、試飲&おつまみの試食を楽しむ『青山「笑う酒」の会』を開催されています。その貴重な会に、「いざまち編集室」もお邪魔させてもらいました!
会の中で提供されるお酒は、講師の蔵元からご提供いただきます。おつまみはみんなで持ち寄って(川島商店さんで購入しても可)、後に割り勘で支払うスタイル。
「そのため、通常の日本酒の試飲会より、当店は比較的割安価格で開催しています」と、同店の代表取締役・川島太さんは語ってくださいました(この日の参加費は、ひとり当たり税込3000円でした!)。
この日、講師を務められたのは、創業が寛政八年(1796年)という歴史ある矢野酒造株式会社の代表取締役杜氏・矢野元英さん。矢野酒造さんを代表する銘柄「竹の園」と4種類の「肥前蔵心」、全5種類の日本酒をご持参くださいました。
5種類のお酒の特徴や味わい、製造方法について、詳細に教えてくださった矢野社長。酵母や麹、酒米の違いによる味わいの変化など、日本酒にまつわる秘話が次々に語られ、大いに勉強になります。
実際に試飲した参加者同士も、「こっちはより辛口かも」「ドライだけど香りはフルーティー」と、自由に感想を述べ合います。すでに紹介されたお酒は、自分の好きなタイミングで飲んでOK。2~3種類のお酒を飲み比べたり、参加者同士でお酌をし合ったり、和やかな雰囲気で会は進みました。
「笑う酒」のルーツ
今回で第129回となった『青山「笑う酒」の会』。お酒が大好きで参加者の人数は、少なく見積もっても、のべ2000人近くにもなります。
お酒を通して、蔵元と参加者、参加者同士の会話が弾み、気さくに話できるのがこの会の良いところ。皆さん和気あいあいと話されているので、てっきり常連客の方々かと思いきや、初参加(初対面)の方々もいるのだそう。
常連客の男性にも話を伺うことができました。
「僕は皆勤でこそありませんが、比較的出席している方です。僕は2014年頃から通い始めたので、もう10年近くになるのですが、もっと前から開催していたようです。以前、第100回記念のときに、川島さんに『一番参加されていらっしゃいますね』と声をかけられました(笑)」
川島さんにも伺ったところ、「この会の始まりは11年前からになります」とご回答が。
「でも、コロナ禍があって、さまざまなことを変更せざるを得ませんでした。以前はお店にいっぱい、30人くらいの参加者を入れていたんですが、コロナ禍以降は、毎回15人くらいに人数をおさえています。おつまみも、戸口近くにテーブルをセットして並べ、各々が食べたいものをビュッフェ形式で取ってもらう形にしました」
「笑う酒」の由来
一度聴いたら忘れられない、秀逸なネーミング。この会の名前「笑う酒」とはどこからきたのか、川島さんに伺いました。
「もともと、私が毎月、『青山「笑う酒」』という冊子を作り、店頭に置いていたのが由来です。楽しみにして下さるファンの方も多々いらっしゃったのですが、101号を作ったあたりで制作をやめてしまいました(笑)。青山にまつわる昔話やお酒の情報などを載せていて、その冊子の名前から取っています」
残念ながら紙での実物はもうないらしく、データで拝見しましたが、とても面白そうな内容! 常連客の方々がファンになるのもわかります。
では、その冊子のタイトル「笑う酒」は、川島さんやご家族のアイデアだったのでしょうか。
「知り合いのコピーライターに『何かある?』と相談したところ、『笑う酒』はどうだと提案がありまして。『それいいね』と、採用しました(笑)」
冊子だけではなく、現在まで続くイベントの冠名にまで使用されているのですから、そのコピーライターさんのセンスに脱帽です!
冷酒のあとは燗酒も満喫♪
初めは冷たい状態で味わったあとは、矢野社長自らお酒を最適な温度に温め、お猪口で希望者に注ぎます。夜間の寒さがこたえるこの時期には、体が温まります。
「世界の中でも、お酒を温める文化は非常に珍しいんですよ。温めて飲むと体にいいですし、口当たりが良くなって悪酔いしにくいんです」と川島さん。
試しに温めたお酒を一口いただくと、たしかに若干マイルドになった気がします。
景品争奪! じゃんけん大会が勃発
蔵元自ら、地元からおすすめのお酒を数種類持ってきてくださるのもこの会の魅力の1つ。なかには遠方から駆けつけてくださる蔵元さんもいて、今回の「矢野酒造」の矢野社長は、なんと佐賀県からお越しでした。
「お客さん同士はもちろん、社長と話したい人はフランクに話しかけても大丈夫です。講師を務める社長さんは、私が毎回お声がけして来ていただいているのですが、皆さん気さくで優しい方ばかり。蔵元と間近でお話をできて、お酒の製造方法やおいしい飲み方を教えてもらえる機会など、なかなかありません」と川島さん。
さらに、運がよければ、お酒以外のお土産を獲得できるかも。
この日は、矢野酒造さん製作のTシャツを無料で2名様にお譲りすることに。背中の英文字に、1カ所単語のスペルミスがあるのですが」と恥ずかしがっていらっしゃいました、デザインはとてもかわいく、お色も何にでも合わせやすい優しいベージュです。
皆さんは「かわいい」「ほしい!」と口々に声を上げ、そのTシャツをかけ、突如お店の中でじゃんけん大会が勃発。勝ち抜いた女性のお客様は大喜びで、お洋服の上からTシャツを着用されていました。
「私はこの会でのじゃんけんで勝つことが多くて、いろいろもらってるんですよ。ラッキーでした」
なんとも引きが強い! どうやったら勝てるのか、その秘訣を伺ってみました。
「『当たったらいいな』じゃなくて、『絶対にもらって帰る!』という、強い気持ちが大事ですよ」
なるほど、運は自分で引き寄せるんですね!
青山でお酒を飲みながら交流を♪
青山三河屋酒店さんの『青山「笑う酒」の会』は、全国各地の名酒を試飲できるまたとない機会です。おつまみも込みで、お得な参加費設定になっているので、日本酒好きな方には見逃せません。
また、蔵元の講義は、大学のような堅苦しいものではありません。参加者や蔵元自らもお酒を飲みつつ、専門的なお話をわかりやすく、かみ砕いて説明してくださるので、とてもためになります。
参加者同士、初参加の方でも優しく迎え入れてくださるので、「今日はわいわい誰かと飲みたいな…」という方にもおすすめです。
その名の通り、店内に笑顔があふれる和やかな試飲会。ご興味を持たれた方は、ぜひ青山三河屋酒店さんに行ってみてはいかがでしょうか。幅広い種類のお酒とおつまみ、優しいお店の方々が出迎えてくださいます。
【青山三河屋川島商店】
住所:東京都港区北青山3-10-9
営業時間:土、平日 9:00~20:00(土曜のみ~19:00)
定休日:日、祝日(その他、正月/お盆休み有)
アクセス:地下鉄各線表参道駅「B2出口」より徒歩0分