『港区商店グランプリ』って知っていますか?
港区に縁のある方なら、『広報みなと』を目にしたことはあるでしょう。私たちいざまち編集部は、区内のおもしろ情報を見逃さないため、過去号も含め隅から隅まで読み込むようにしているのですが……。
2024年2月1日号の『広報みなと』に“令和5年度港区商店グランプリ 受賞8店舗が決定しました”の文字を発見!
え?港区商店グランプリって、何?
令和5年度ってことは、毎年やっているってこと?
気が付いていたら、お問い合わせ先として掲載されていた港区産業振興課産業振興係へと電話をかけていました。
そもそもどういう経緯で始まって何を表彰しているの?
今回お話を伺ったのは、港区産業振興課産業振興係の園田 希保子さん。
「商店グランプリは、顧客満足やサービス向上のために積極的に商店経営を務めている店舗を表彰することで、事業へのモチベーションを高めてもらおうということから始まっています。昭和47年ごろから前身の事業は始まっていたと聞いていますが、現在の形になったのは昭和61年度からです」
思っていたよりもはるかに歴史のある事業なのですね。そもそもどういったきっかけで始まったのでしょうか。
「実は、昭和47年ごろにはじまった詳細はよくわからないのですが」
と前置きのうえ、園田さんは現在の港区商店グランプリについて詳細を教えてくださいました。
港区商店グランプリは、港区が単独で行っている事業ではなく、「港区商店街連合会」と「港区商店街振興組合連合会」の3団体が共同で実施している事業です。港区商店街連合会や、港区商店街振興組合連合会というのは、区内各所で結成されている商店会の方々を取りまとめていらっしゃる団体です。
今回は、港区産業振興課にお話を伺いました。
港区商店グランプリで表彰候補になるのは、「港区内の商店会に加盟している店舗」となっています。
「実施にあたっては、毎年中小企業診断士さんと話し合って個別のテーマを決めています。各商店会には、そのテーマに沿って各店舗様を推薦していただく形です」
実施までの詳細なタイムスケジュールも教えていただきました。中小企業診断士らとの協議によりテーマが決まると、毎年7月下旬~8月にかけて、グランプリの参加店舗の募集が開始されます。テーマに従って各商店会は、自分たちの商店会メンバーから、該当する店舗を推薦。8月末までに港区商店グランプリ候補が出揃います。
9月下旬からは候補店舗の事前審査が始まります。10月の中旬から下旬にかけては、審査委員(専門有識者10名程度)が実地巡回審査を行いお客さまや地域とのつながりなど総合的にジャッジを行うとのことです。
審査項目は、テーマに値するかどうかはもちろんですが、経営一般や店舗構成、照明、顧客満足度などの項目についても審査が行われます。最終的に毎年度10店舗程度が『港区商店グランプリ』を受賞し、表彰されることとなります。
ちなみに、このような表彰活動を続ける目的は何なのでしょうか?
「一番の目的は商店の方々のモチベーションを高めてもらうことですね。さらに、区民の方に地元の素敵なお店や商店会を紹介・周知することで、町のにぎわいにつなげていければという思いもあります」
港区商店グランプリは、昭和61(1986)年から現在までに、すでにおよそ360店舗が受賞しているそうです。
全然知らなかったです……。
正直にそう言うと、園田さんは苦笑いしながらやはり認知度向上に課題があるということを教えてくださいました。
「受賞をしたことでお店の方から、従業員の皆様の士気が上がったというお声をいただくことがありますが、もっと商店街の振興へつなげられるように頑張っていきたいです」
区内の商店街には魅力がたくさん
区役所は、港区商店グランプリを受賞した店舗を『港区商店グランプリ受賞店舗ガイド』という小冊子にまとめています。この冊子は区の総合支所や区立図書館、商店会などで無料配布しています。
受賞店舗の紹介映像は、YouTubeや区のサイネージなどで放映されています。
【令和5年度港区商店グランプリ受賞店舗完全ガイド】↓
「おかげさまで現在は、本格的なお店紹介の番組コンテンツになっております。ですが、再生数が伸び悩んでいるので、もっとSNSを活用したり、ゆくゆくはショート動画などにも挑戦する必要がありますね」
と園田さんは、課題を語られました。
園田さんは、産業振興課に異動してきて4年目。今年初めて港区商店グランプリを担当することになったそうです。取材をさせていただいた11月は、まさに店舗ガイドの編集作業や、ステッカーの作成、関係各所への結果報告などで、大わらわの日々だそうです。
ですが、グランプリを担当するようになったことで、今までの生活では行くことがなかったようなお店にも出入りするようになり、なかにはすでに複数回通うようにになったお店も出てきたとおっしゃっています。
「お店の人とのかかわりが味わえるのが個人店の魅力ですよね。何度かご挨拶をして、会話ができるのが嬉しいですね」
10月の実地巡回審査が終わると11月にはまず、区の商店街連合会理事会にて、結果報告を行い、もろもろ広報用の媒体の作成を並行しながら、1月には受賞店舗の表彰式が行われます。
表彰式終了後、ガイドブックの配布や各種広報活動が始まり我々が受賞店舗を知ることができるようになります。ちなみに、私が今回、港区商店グランプリの存在を知った『広報みなと』は、例年2月1日号にて港区商店グランプリの記事が掲載されるのだそうです。
本記事が出るころには、受賞店舗は決定していると思われる港区商店グランプリ。はたして、来年2月に発表される令和6年度受賞店は、どのようなお店が選ばれているのでしょうか。
現在、港区や商店街連合会さんの間では広報が課題となっているとのことです。いざまちでも、最近商店会さんとお話をさせていただく機会が増えてきているので、何かしらご協力を考えていきたいと思います!