港区の水辺はもっと輝ける! 魅力と情報発信に向けて――第10回「水辺部会」レポート
雨が降りしきる10月下旬、東京都港区、田町駅にほど近い複合施設「札の辻スクエア」会議室で開催された「水辺部会」。こちらの開催は、今年度で第10回目となりました。今回は、その貴重な舞台裏の模様をレポートいたします!
部会の会議と聞くと、当初はものものしいイメージもあったのですが、水辺部会は活発ながらも和やかな雰囲気で終始進んでいきました。参加者の発表や報告に対して質問し合ったり、「水辺部会」部会長の株式会社ジール代表取締役・平野拓身さんが「〇〇さんはどう思う?」と、その問題に詳しそうな方を適宜指名したり。
ふと連想したのは、SDGsの目標の1つ、「誰一人取り残さない」の理念です。この日は、水辺部会初参加となった企業や団体さんも多かったようですが、参加者の皆さんは部会の前後に名刺交換をして歓談をしたり、初対面の人もあたたかく迎え入れていらっしゃっていました。
「水辺MAP」制作風景
冒頭から活発に熱い議論が交わされたのは、水辺部会の推進事業である「水辺MAP」について。こちらは後ほど雑誌の誌面に掲載予定のMAPで、水辺部会で誌面を監修している企画になります。港区が勧める水辺観光を楽しんでもらう趣旨で、地図とともに有名スポットをピックアップしてご紹介予定。
現段階で候補に挙がったのは、旧芝離宮恩賜公園、お台場海浜公園に建設予定の新たなランドマークの噴水「ODAIBAファウンテン」(仮称)など。ご担当者も同席の上、「このポイントも盛り込んでみたら」など、参加者の皆さまからは港区の水辺をどう魅力的に伝えるか、議論が白熱しました。
「インバウンド向けに盛り上げたいけど、英語で表記してみるのはどうか?」
「写真だけでなく、イラストを入れてみてはどうか?」
「船の航路や船着場を掲載した方がいい」
など、さまざまな視点から意見が飛び出します。
この日は1つの方向性として、誌面はスッキリ表現しようと意見がまとまりました。目指したのは、台場を神奈川・横浜の山下公園のような、海と結ぶ付いた観光地のイメージにすること。港区の水辺の魅力をどう読者にアピールするか、それぞれの立場から真剣に考え抜く姿が印象的でした。
参加団体相互の活動報告
今回の部会には、大阪に本店・本社事務所がある南海電気鉄道株式会社さんから、まちづくりグループ まち共創本部、グレーターなんば創造部主任・田原節也さんもご出席。大阪・なんばエリアの活性化事例についてご紹介されました。
関西各地へのアクセスが発達しているなんばを最大の事業拠点と捉えている南海グループでは、より広いエリアの活性化を目指す「グレーターなんば」構想を掲げ、なんばの「まちづくり」を推進しています。
また、南海電気鉄道さんは、大阪・道頓堀川における水辺の賑わい創出・水辺空間のブランド強化、維持管理などを担う「管理運営事業者」に選定され、水辺でのイベント実施件数の増加策やその他活性化策の実施協力等で、さまざまな成果を挙げられてきました。
東京・港区と大阪、距離は離れていますが、同じ水辺の活況を目指す者同士、南海電気鉄道さんの話は大いに刺激や参考になったようです。東京都内では外国人観光客の方を多く見かけますが、大阪でも同様に、インバウンド需要が高まっているとのこと。大阪で開催予定の「大阪万博」に関する質問も出たり、取り組み事例の共有は和気あいあいと進みました。
そのほかの参加企業や団体さんも、自社で開催予定のイベントなどを活動紹介を兼ねてPR。「今度このポスターを貼っておくよ」と申し出るなど、互いに協力する姿に、ともに水辺を活性化していこうと団結する心意気を強く感じました。
「水辺MAP」もゆくゆくは制作?
部会の中で、非常時への対策として注目されたのは船着場の存在です。古川の麻布十番には、一回も船を着けたことがない船着場があり、水辺部会でも有効活用策を模索中とのこと。
「防災船着場の中には、非常時に限らず使えるところが意外とあります。今後はもっと日常使いもしていければ。また、竹芝に行ったらこの場所にトイレがあって、この桟橋が使えて……など、一般の人々にわかるような『水辺の防災MAP』を制作してもいいかもしれませんね」
と、平野さんからさらなる展望も語られました。
「港区、動く」プロジェクト開催中! ナイトスポットを発掘
港区では、「港、動く。」と題して、港区の魅力をPRする動画コンテストを開催中。【映えSPOT】をテーマに、15秒程度の動画作品を、アマチュアの皆様から募集しています。
実は港区には、幻想的な美しいナイトスポットが数多く存在します。たとえば、夜のクルーズ船やウォータータクシーから眺める都会の景色、レインボーブリッジ、ライトアップされた東京タワーなど。
受賞作品は、港区内や東京タワーメインデッキClub333(クラブ・トリプルスリー)、ザ・プリンスパークタワー東京エレベーター内などで放映される予定です。
今お読みいただいているあなたの投稿作品で、夜の港の美しさが再注目されるかも?
おわりに
東京都内には、まだまだ知られざる水辺スポットがたくさんあります。水辺の魅力を伝えて活性化するため、さまざまな取り組みを続けている「水辺部会」の活動を、「いざまち」では引き続きお伝えしていきたいと思います!
【札の辻スクエア】
〒108-0014 東京都港区芝5-36-4
JR田町駅「三田口(西口)」より徒歩4分、都営地下鉄三田駅「A3出口」より徒歩4分又は「A4出口」より徒歩3分