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あの有名な“火付盗賊改方”とも関係?「幕府御先手組」に由来する「御組坂」

2024年8月1日

「御組坂」にまつわる歴史と由来

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幕府の組織の名に由来

東京都六本木にある、急勾配の坂道「御組坂」。「麻布台ヒルズ」の「アークヒルズ仙石山森タワー」と「泉ガーデンタワー」を結ぶこの坂には、少々変わった名前がついています。

その由来は、江戸時代の「御先手組(おさきてぐみ)」の屋敷が南側にあったためと言われています。

「御先手組」とは、江戸幕府にあった職名です。「弓組」と「鉄砲組」とに分かれ、江戸城諸門の警備、将軍外出の際の護衛、常時には火付盗賊改(ひつけとうぞくあらため)として、放火犯や盗賊の取り締まり、江戸市中の巡視を担当していました。

あの『鬼平犯科帳』シリーズ(池波正太郎原作)などでおなじみの、火付盗賊改という役職。2025年放送予定、横浜流星さん主演のNHK大河ドラマ『べらぼう』では、中村隼人さんがのちの長谷川平蔵を演じることでも話題になりました!

時代劇でこそヒーローのようなイメージがありますが、実は当時の火付盗賊改は、武装警察の色が近い荒くれ者の一面もあったのです。

市政・治安の維持に務める文官の「町奉行」が犯人の捕縛を目的としていたのに対し、武官である盗賊改は、凶悪犯罪に対抗するための特殊部隊。犯人の斬り捨てまで許可されており、相当苛烈な取り調べを行うこともありました。

小説家・永井荷風も御組坂付近の住民だった!?

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永井荷風の邸宅があったのは、T字路の右側だと考えられている

御組坂下付近には、かつて、『あめりか物語』などを著した小説家・随筆家である永井荷風が住んでいた「偏奇館」がありました。

永井荷風

永井荷風(出展:国立国会図書館「近代日本の肖像」)

偏屈な変わり者を自認していた永井荷風は、ペンキ塗り木造2階建ての洋館をもじって「偏奇館」と自称していました。

残念ながら、戦災によってこの館は焼失してしまい、御組坂付近に現存はしていません。

再開発で変化した御組坂……「麻布台ヒルズ」を結ぶルートに

御組坂

御組坂の立て札

麻布台ヒルズ」の開業により、御組坂の付近の光景は一変。以前は細い道が伸び、古い木造民家が建ち並んでいました。この坂は現在、前述した通り「アークヒルズ仙石山森タワー」と「泉ガーデンタワー」を結ぶルートとなっています。

都市部の大規模再開発により、坂道もまた姿を変えつつある現代。街が便利になり、活気づくのは喜ばしい反面、昔からの光景がなくなることに一抹の寂しさも覚えます。

新旧両時代のいいところを残しながら、街の景観を保っていけたらいいですね!

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